歌舞伎町 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は8時ちょっち前に起きたら、くしゃみ3連発。

ゴミ収集日やから、慌てて鼻水垂れながらゴミ出した。

朝食にオージービーフのステーキ焼きニンニクたっぷり付け食い、デザートは愛媛産伊予柑。
掃除洗濯した。

烏賊にも蛸にも蜷川実花らしい華やかな映像の「ヘルタースケルター」をギャオで見た。「最初に一言。笑いと叫びはよく似ている」と沢尻エリカの云う台詞につかまれた。けど、怖さも悲しみも滲み出して来無い。
昼食は「光栄軒」のレバニラ炒め定食を食いとうなり出掛けた。小父ちゃんが元気にフライパン振っとって嬉しかった。あの量で650円が有り難い。
店出て、荒川図書館に入り新聞各紙読んだ。

一旦帰宅し、風呂に30分浸り考えとった。実際に戦争を知らない者達が社会の中核になり、その中から権力握った者が戦争の惨禍を知らず政治判断しとるが、戦争を知らない事は戦争に近づきつつある事やと自覚せなならん。
それから水道橋へ歩いたんや。待ち合わせたMちゃん夫妻に招待券もろて東京ドームで大勝したオープン戦観とったんや。今シーズンはミレッジ活躍してくれるやろか?

その後ふたりと居酒屋二軒で飲んで、ええ気分で歩いて帰宅したんやが、眠気しとるんで缶コーヒー飲んで記し出したんや。


上海の飲食店やカラオケ店等で日本人観光客へのボッタクリ被害が急増しとると先月報じられたが、穴の都と呼ばれるこの東京でも歌舞伎町ほどボッタクリにまつわる話題が多い街はない。
今週も歌舞伎町1丁目のキャバクラの男5人が、不当な料金取り立てで東京都ぼったくり防止条例違反と強制労働で労働基準法違反の疑いで逮捕された。乱暴な言動や腹を殴ったりして料金を取り立てただけやなく、「働いて返すしかねえんだよ」と、店の便所掃除や客引きを強要したんやて。
被害に遭うた客は、客引きに「1時間4千円」と声掛けされその店へ連れて行かれたんやて。酷い事にならんよう、客引きには付いて行かん事や。
また、いつやったか歌舞伎町のとある居酒屋が飲食代以外に事前説明無くお通し、席料、週末料金、チャージ料を加算しとったのをネット上で批判を浴びて、閉店に追い込まれたちゅう事も話題になっとった。
警察は暴力沙汰でもないと民事不介入とか云うて仕舞いやから、ボッタクリ店にはネット上で告発する事やな。
で、話は遡りまんねん。ワテとEI君が二十代の頃危うくボッタクリ店に拉致されるところやった出来事ですわ。
歌舞伎町で飲んだ帰り、EI君と駅へ向かうとると二人のミニスカートのネエちゃんに声掛けされた。「私達終電無くなっちゃって。始発動く迄の間飲みに付き合ってもらえません?」
こないな時ワテもEI君もミニスカ娘が客引きと分かっとるさかい無視するのが通例なんやが、EI君気紛れで、「S吉、たまには冒険してみるか」と耳打ちすんねん。酔うても沈着冷静なワテは、「アホらし、終電30分前やでえ」と小声で嗜めたがな。
ところが、EI君また耳打ちしよった。「寸止めするから」
よう見ると二人ともケバい化粧した娘達やったが、EI君、「この辺よく知らないんだ。君達いい店知ってるの?」と、わざとらしくネエちゃん達が喜ぶ事云うたんや。
ちゅう訳で、香水の匂い漂うネエちゃんに腕組まれて行くと、そこは歌舞伎町やなく新宿2丁目やった。
EI君は云うた。「新宿2丁目、3丁目は駄目だ。親に立ち入りを禁じられてる」
ワテもEI君の調子に合わせ、「そうや、2丁目、3丁目はお尻が危険や」
すると、ミニスカートのケバくええ匂いのネエちゃん達は、組んだ腕を固くし体を密着させ、ああだこうだとワテ達を説得に掛かった。繰り返す遣り取りで、ワテ達が帰ろうとしとるのが分かると、目配せし合って絡み付けた腕をさらに固くし、すぐ近くらしい目的の店に行くべく動こうとしとった。
屈強な男共呼ばれヤバくなる前に撤退せなならんと思うたワテはひょうきんな友Nっぺを真似て口ずさんだ。「いやんバカん、そこはお江戸なの~、いやんバカん、そこはお下町~いやんパックん、そこはおいどなの~、いやんパックん、そこでおしたおし~」
ちょっちネエちゃん達の気が緩んだ隙、ワテは絡んだ腕を振り解きEI君に強く云うた。「終電間に合わん、走るでえ」
EI君も腕を振り解いたの見て、こちらも目配せし合って新宿駅に向かい一目散に駆け出した。
ネエちゃん達は馬脚を現し、遠ざかるワテ達の背に向かい大声で罵詈雑言浴びせとった。
たまにEI君は酔うと、この時の話を「あの時は面白かった。俺達を店に連れて行こうとするネエちゃん達の必死の形相が忘れられない」と、懐かしみながらしよる。
それへのワテの応えは決まって同じや。「懐かしがるだけやったらええけど、酔うたらもうあの頃のように早くは走れんでえ」