尾久 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時半に起き、植物に水遣りし、朝食に北海道産鱈子で鱈子パスタつくって食うた。デザートは山梨産プラム2個。
カーリン・クローグス&アーチー・シェップの「ハイ・フライ」とアル・ジャロウ「ジス・タイム」とレコードアルバム二枚聴いた。
散歩を兼ねて昼食に出掛け、かっぱ橋本通りの「佐藤」へ11時半に入ったが、空いとって拍子抜け。1000円の日替わりランチの牛タンシチュー食うて満足。

食後、スーパーで飲み物買うて、昨日行かなかった図書館へと向かうた。17時に日暮里図書館を追い出された。
帰宅後、ギル・エヴァンスのレコードアルバム「時の歩廊」を聴いた。
弁当を半額にする時間に合わせ近所のスーパーへ行き買うて、夕食は半額になったサケ弁当。デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。
見当たらぬ物を二時間弱捜すも見つからず。
ぬるめの風呂に一時間半浸り、捜し物がどこにあるか記憶辿ったり、日中関係をわざと悪化させるのはドアホやけど尖閣諸島奪われぬよう防衛力の強化しとかなならんと思うたり、安倍政権は北朝鮮に今日またしても弾道ミサイル発射され完全に舐められとるのにアホな言い訳会見しとって見苦しいと思うとった。
22時半になりラジオを「テイスト・オブ・ジャズ」にしたら二度聴いたもんやったんで、他の放送局に次々として行ったら、NHK FMでJAZZやっとるやないか。「セッション2014」で北川潔、片倉真由子、広瀬潤次、山田拓児の演奏やった。で、彼らの演奏聴きつつこれ記しとるんや。
ほな、ギャップが魅力なクールな顔しとるEみさんとの遣り取りを昔のメモ書きから写しますわ。


尾久に行った事がなかった。その話をEみさんにしたら「行ってみよう」云うんで、東北本線尾久駅で待ち合わせしたんや。蒸し暑い日やった。
「おぐじゃなくて、おくだょ」そう駅の標識見てEみさんが云うた。
「ほんまやな、おぐだとずっと思うとった」
それに、住所は北区昭和町やった。荒川区やと思うとったのに。改札出るとすぐ明治通りがあり、辺りはフツーな幹線道路地帯でしたわ。
帰宅後地図見たら、線路挟んで反対側は上中里で、京浜東北線上中里駅も近かった。
隅田川沿いにあるあらかわ遊園に行くつもりで歩いたんやけど、ちょっち迷って堀船四丁目の方へ行ってしまい、Eみさんが楽しみにしとった観覧車に乗る時間が遅くなってしもた。でも、二回乗ったので彼女は満足顔しとった。飛行機に乗るのは嫌いやが、観覧車は好きなEみさんやった。
Eみさんと思うとったより広い園内の芝生広場に居って、Eみさんが身振り手振りで話す一週間の暮らし振りを聞き終えた時の事。
「Eみの所で先週持って行ったあれ飲むの楽しみや」
「あれ?」
「そう、あれや」
「あれれ」と、可愛っこブリっコぽい仕草して云うたEみさん。
「何やその云い方は?シャンパンの事やでえ」
「蒸し暑い日が続くよねぇ」
Eみさんが話をスッパリ切り替えた時は絶対怪しいんや。それで云うた。「日本の夏やから蒸し暑いのは当然や。雪が降ったら怖いわ」そして、Eみさんの反応を見た。
「でしょ~。咽喉渇くよねぇ、日本の夏」
「咽喉渇く・・・」嫌な予感がした。
「日本の夏にはシュワシュワな泡が合うよねぇ」
「そうや、そやから先週シャンパン持って行ったんや。その話や」
「S吉は偉いょ、Eみの為に優しい気遣いしてくれて。すっごく感謝したょ」と、“すっごく”を強調して云うた。
「ちょっと待ちいな、もしかして一人で飲んでしまったちゅう事ではないよな」と、Eみさんの目を睨んだ。
すると、「S吉、人相悪くなったょ。スマイルだょ、スマイル」と、ワテの腕つかんだ。
「今は人生の笑えぬ局面や。まさか清涼感独り占めにしたんやないよな」と、ワテの声は鋭くなっとった。
「S吉はEみが熱中症になってお部屋で倒れて意識不明だったら悲しいでしょ」と、彼女は上目遣いしよる。
ワテはEみさん宅の密室で何が起こったのかをたちどころに理解した。
「Eみ、ここは日本やでえ。しかも自宅に居ったんやろ。灼熱の砂漠で倒れる訳やない」
「お部屋でも熱中症あるんだょ」
「蛇口捻れば水が出るやろ」
「可哀想な少女は蛇口へ辿り着けなかったんだなぁ」と云うて、間を置かず「冷蔵庫が近かったんだょ、シャンパン冷やしておいた冷蔵庫」と続けた。
「シャンパンいつの間に冷やしておいたんや?」と問うワテの声は段々大きくなっとった。
それには応ぜぬ自称少女は、「息も絶え絶えで冷蔵庫開けたら、そこにオアシスが見えたんだねぇ」と、云いよる。
「お前様の所の冷蔵庫にはいろいろ飲み物入っとる。いつもお茶あるやろ」
「オアシスに見えたのシュワシュワだけだったょ」
「おバカ者」と怒鳴り、「壜に口付けて飲んだ云うんかい」と、凄んだ。
「そうだった鴨葱」と、首傾げ悪びれず答えたEみさんやった。「命の水だったょ。残さず飲んじゃった」と、付け加えた。
「ワテにとっては砂に吸い込まれたようなもんや・・」
今度はEみさん、「可哀想な少女の命が助かったんだから、そんな云い方はないと思います」と、ハキハキ反論した。
「開き直っとる。ワテ、ほんまに葱背負った鴨やった・・もうワテは飲めんのか・・・」
「大丈夫だょ、また同じ物買っといてあげるょ」
「その云い方、可笑しいで、買うとったのワテや」と、また更に大声出した。「お仕置きや、お尻ペンペンしたる」と、右手を振り上げた。
すると、Eみさんにっこり笑い、ワテの先の方へ視線向け頭を下げた。
{なんや?}振り返ると、そこには大柄な爺さまが孫と思しき少女と手つなぎワテの後ろに立ち、険しい顔しとった。口は開かない。
{ここでEみに得意の小芝居されると厄介やな}と思うたが、彼女は罪悪感があったからか、「じゃ、そろそろ帰ろうかぁ」と云うてワテを促し、爺さまと少女に笑みを見せ「ごきげんよう」と挨拶した。
遊園出た所でEみさんは云うた。「危ない時になると、正義の味方が来てくれるねぇ」
「戯け者、お前様が悪者や」ワテ、また大声出してしもた。