『地球防衛未亡人』☆☆
今朝は7時半に起きた。
ご飯が炊ける迄レスター・ヤングの演奏をユーチューブで聴いた。
朝食に茨城下妻市産こしひかりでご飯炊き、くめ納豆、海苔で二膳。デザートはフィリピン産ペリカンマンゴー(カラバオ種マンゴー)。
牛乳飲みながらカーメン・マクレエのアルバム「キャント・ハイド・ラブ」をCDで聴いた。
それから散歩。昨日は映画館往復しっかり四時間半歩いたが、今日も三時間弱歩いたがな。昼間は風が強かった分寒かったわ。
まず蔵前へ向かい、昼食は先週振られた「ビストロ モンペリエ」に開店と同時に入った。座ってみたら以前とちょっち雰囲気がちゃうように思えた。豚バラ肉 マスタードソース 付け合せにピラフをメインに選び食うた。他にじゃが芋のニョッキの前菜、パン、デセール、コーヒーで1350円也。大分ご無沙汰やったけど、相変わらず仕事が丁寧やし旨いでえ。なぜ行かなくなったんか食いながら考えたが、多分ワテには塩味が強過ぎと思うたからやな。
御徒町の銀行へ行くつもりやったが、行きつけの診療所がえろう混んどって時間とられ、急いだんやけど丁度仕舞いになってしもて、改めて来週月曜日に行かねばならなくなった。
帰りも電車に乗らず歩き、スーパーを二軒立ち寄り食料買うて帰宅。
夕食は群馬産三元豚、神奈川産ほうれん草、長野産エノキ茸をタジン鍋で蒸しご飯食い、デザートはグレープフルーツジュース入れたヨーグルト。
ニューヤクルト飲んで風呂に小一時間入って、H君の明らかな罠に屈するか抗うか、どないしよと思うとった。彼、中国共産党みたいな罠仕掛けるからな。
そう、昨日大学2年からの付き合いになるH君から電話があってん。とうとうと云うべきか・・・
H君の観た今年の初映画が『地球防衛未亡人』ちゅうねんけど、彼は恋愛映画以外観なかったはずで、タイトルからしてパロディ映画な作品観たとは、と訝りながら公式サイト覗いたらその理由分かったがな。壇蜜を好きや云うとったもんなあ。
ワテはバタ臭いのが好みやから、壇蜜には興味無かったんやけど、H君がごっつうワテ向けの映画や云うんで、早速行ってみた。
劇場は小父さんでいっぱいでしたわ。この穴の都東京でさえ上映館が極々少ないのが勿体無く、“不思議の国の蟻巣”のようや。あ、それでんがな、この映画は。
監督と脚本は河崎実ちゅう人。
観終えて唸ってしもたがな。このキレの無さは、風刺映画とは決して云うて欲しくないんやろうか?狙った如きキレの無さや。
人気者壇蜜が主演。彼女が本作で扮するのは、向島芸者やった27、8歳の頃見初められた処女の未亡人で地球防衛軍の三年でエースとなったパイロットの天野ダン隊員。
観客が戸惑う壇蜜の演技で何ともなあ。ダン隊員はアメノウズメの末裔らしいからなあ、大様に見なならんのやろ。
一般的な作品の場合は小説でも映画でも、主人公に如何に思い入れが出来るか、ちゅうのが肝なんやけど、脚本も演出もそれ突き放しとんねん。
話もな、戸惑う程ユルく始まりまんねん。東シナ海に浮かぶ仲良くない国が領有権を主張する三角諸島に隕石落下。そこから宇宙怪獣が出現したんや。無人島で肩慣らしに暴れ出したら、中国共産党も吃驚や。一緒にかぐや姫が出て来よったら、大混乱やったわ。それにテンション異様に高いフナッシーが頼みもせんのに飛び込んで来たらもう収拾つかへんでえ。
一方、壇蜜扮するJAPちゅう地球防衛軍のダン隊員は最愛の夫?婚約者?をその怪獣ベムラスに踏み潰され殺されとったんで、仇を討つためにパイロットとなり、復讐に燃えたぎりJAPヤローに乗り怪獣にズッコンバッコン攻撃するんや。そして燃えるとヘンタイになるんや。エクスタシーなんや・・・
ダン隊員がアヘアへしとる時、怪獣に叩き落されるJAPヤロー。怪我負うても全人類救う為に再攻撃を求めるダン隊員。
けどな、政府からはいつまで経っても出るべきはずの攻撃命令が出んのや。
だから、己の命と引き換えにしても倒すつもりのダン隊員はごっつ悔しい思いや。
それもそのはず、我が国本土に上陸して原子力発電所へ行ったベムラスは、何と使用済み核燃料を食べ始めたんや。そしてことごとくたいらげた。これは願ってもない想定外の益獣や!核廃棄物の扱いに頭痛める核保有国の政治屋ならずともごっつ興奮するわ。
どうや、このアイデアは凄いでえ、思い浮かびそうで出んやろ。
益獣ベムラスは膨張政策の中国共産党をも魅了する。突如として所有権を主張するのもよう分かる。
「いっその事中国にあげましょうか」などとは以ての外や。使用済み核燃料処理の為、調教して使いこなすちゅう事になんねん。益獣ベムラス特需ですわ。原子力発電所輸出に血道をあげるよりよっぽど経済的貢献大やからな。
茶化茶化に笑わせてくれるわ。
そして、ユルい文句書くの好きなミツオとの教訓めいた話や長官に頬引っ叩かれる話が挟まり更にユルく話は進み、ダン隊員は宇宙怪獣に裸でくねくねミサイル攻撃を仕掛けるんやが・・・
怪獣をも悩殺する腰の入った踊りがこの作品の見所でんがな。
トコロテン、やなかった、ところで、「ザ・ニュースペーパー」の福本ヒデが演じる宇部総理大臣は、誰やったか憲法の意義知らず立法府軽んじとる誰かに似とるんやが、誰やったかいな。
ソ連に、ノッチが演じとるのが米国大統領。ノッチちゅうとデンジャラスやでえ。危ない事この上ない。その大統領に、ワテ等日本人は肝心な場面で蚤の心臓になる云われてしまうねん。
豆腐にも角煮も、河崎実は計算が苦手な奴やなと観とったんやが、もしかすると、どうもこのユルさが規則正しく続くのは計算なのかもしらん、とその内思われてきよる。その辺が河崎実のええところや。
この話の結論を「憎しみからは何も生まれない」と軽々に思い込んではならぬ。世の中そないな訳は無いの分かるやろ。憎しみはおぞましいもん生み出す触媒やからな。
話の結論めいたもんは、観客のそれぞれの思いが知るところで、河崎実はトンと責任持たぬ。何か企んどる訳やない。
ワテとしては、ミツオを通して我が国若人の雇用問題もきっちり扱って欲しかったちゅう思いが残った。
それでも、宇宙怪獣ベムラスを追かけるダン隊員の“不思議の国の蟻巣”のようには楽しめたがな。