【細胞診の意義~長所と短所~】
・長所:迅速かつ簡易的
・短所:確定ではない

【細胞診を診るのに必要なこと~予備知識として~】
・正常細胞の様子:形状、サイズ、N/C比、組織構造
・炎症細胞の様子:マクロファージやリンパ球は腫瘍との鑑別が難しい

【腫瘍の構造~FNAどこに刺す~】
・正常組織、間質組織(炎症細胞)、壊死組織、腫瘍組織などからなる
・表層:ゴミ、感染や壊死物が多い
・実質:ターゲットとする細胞が多い
・深層:正常細胞が多い
・中腔:化膿物や壊死物が多い

【鏡検の手順~森を見て木を見る~】
・低倍率:全体を診て怪しい細胞群をみつける
・中倍率:腫瘍か非腫瘍病変の判定
・高倍率:細胞の特徴を判定

【細胞診で診る情報~限界もあるが最低限として~】
・病変部は→腫瘍病変?非腫瘍病変?
・細胞群は→上皮性?非上皮性?
・腫瘍は  →良性?悪性?
・特徴は  →腫瘍の特定ができることもある!

【腫瘍?非腫瘍?の判定~組織細胞か炎症細胞か~】
・細胞数:おおい→炎症細胞
     少ない→腫瘍細胞、正常細胞
・細胞群:質的に共通性を持つ細胞の存在
     瀰漫性→炎症細胞
     散在性→腫瘍細胞、正常細胞
・細胞塊:炎症細胞→肉芽腫、膿瘍
     組織細胞→腫瘍細胞、正常細胞

【上皮性?非上皮性?の判定~主な特徴~】
          サイズ         細胞形状          細胞数     細胞集塊形成
上皮性       大型       円形、多角形      多い       あり(塊状、シート状)
非上皮性     小型~中型     紡錘形、星芒形 少ない なし
非上皮性 小型~中型 円形~オタマジャクシ形 多い なし
独立円形細胞

*独立円形細胞腫瘍:主に血液細胞の腫瘍(下記参照)

【悪性?良性?の判定~正常細胞からの変異差~】
・細胞の形状:巨大化、大小不同、同一細胞の多形化
・核の形状 :巨大化(N/C比の増大)、大小不同、多形化、多核化(モールディング)
核クロマチンの増加(濃染)、核分裂像の出現(増加、異常分裂像)
・核仁の形状:巨大化、増数、多形化(多角形、紡錘形)

【上皮系腫瘍~腫・癌~】
・腺癌  :乳腺癌、肛門周囲腺癌、皮脂腺癌、汗腺癌、肺腺癌など
・上皮癌:扁平上皮癌、移行上皮癌、基底細胞癌、肝癌など

【非上皮系腫瘍~腫・肉腫~】
・骨、軟骨の腫瘍 :骨肉腫、軟骨肉腫など
・繊維、筋肉の腫瘍:繊維肉腫、平滑筋肉腫、黄紋筋肉腫、血管肉腫など
・神経系細胞の腫瘍:神経鞘腫など
・その他の間質腫瘍:黒色腫、粘液肉腫など

【非上皮系腫瘍~独立円形細胞腫瘍~】
・リンパ腫、肥満細胞腫、骨髄腫、組織球腫、可移植性性器肉腫など

【分類不能の腫瘍~未分化腫瘍~】
・未分化癌:上皮細胞由来か腺上皮細胞由来か分からない未分化な腫瘍→悪性
・癌肉腫  :上皮か非上皮か区別できない未分化な腫瘍→悪性

ステージ Ⅰ
1箇所のリンパ節または単一器官のリンパ系組織に限られる場合。(骨髄を除く;骨髄のみでリンパ球が増殖するのは白血病に分類される)
ステージ Ⅱ
複数のリンパ節の限局性病変。
ステージ Ⅲ
全身のリンパ節に波及。
ステージ Ⅳ
肝臓、脾臓の病変、全身のリンパ節病変を伴う場合も伴わない場合もある。
ステージ Ⅴ
血液、骨髄、その他の臓器に発現。
臨床的サブステージa(臨床症状なし)またはb(臨床症状あり)に分けられる。
<主な抗がん剤>
・アルキル化剤
  サイクロフォスファマイド(エンドキサン注射/内服)

・代謝拮抗剤
  メトトレキセート(メソトレキセート注射)
  シトシンアラビノシド(キロサイド注射)

・植物アルカロイド
  ビンクリスチン(オンコビン注射)
  ビンブラスチン

・抗腫瘍抗生物質
  ドキソルビシン(アドリアシン注射)
  ミトキサントロン(ノバントロン注射)

・白金化合物
  シスプラチン

・ホルモン剤
  プレドニゾロン

・その他
  L-アスパラキナーゼ(ロイナーゼ注射)
  ピロキシカム(フェルデン、バキソ)
L-アスパラキナーゼ(Lasp:ロイナーゼ):SC、IM

副作用:過敏症
    急性膵炎
    蛋白合成の低下
    肝酵素の上昇
    凝固異常
    VCRとの同時投与で骨髄抑制増強
    
アナフィラキシの予防
    SCかIMで投与(IV、腹腔内投与は避ける)
    投与30~60分前にステロイド、抗ヒスタミン薬の投与
    2回目以降の投与は発生頻度が増加
ドキソルビシン(ADM:アドリアマイシン):IVD

副作用:骨髄抑制
    胃腸障害(出血性大腸炎)
    蓄積性心筋障害(生涯投与量が180mg/m2を超えると高頻度で出現)
    脱毛
    過敏反応(即時型アナフィラキシ様反応)
    血管外漏出で非常に強い組織壊死
    腎毒性(猫)
    T-BIL1.5以上で50%投与減量

心毒性の予防
    心収縮力を頻繁にモニターする(FS28%以下では禁忌)
    投与時間を延長する
    ミトキサントロンと切り替える

血管外漏出時の対処法
    投与中止
    留置心からもれた薬剤の吸引
    冷シップとまめに取替え24時間
    もれた部位の外科的な摘出
ビンクリスチン(VCR:オンコビン):IV

副作用:末梢の神経毒性(特に猫で便秘など)
    単独使用で骨髄抑制は最小
    血管外漏出で周囲組織壊死
    T-BIL 1.5以上で50%投与減量

血管外漏出時の対処法
    投与中止
    留置針からもれた薬剤の吸引
    生食を局所注射(吸収促進)
    温シップを数時間適用
サイクロフォスファマイド(CPM:エンドキサン):IV、PO

副作用:骨髄抑制
    無菌性出血性膀胱炎

無菌性出血性膀胱炎の予防
    朝に投与
    利尿を促進(補液、利尿剤、ステロイド、高食塩)
    すでに膀胱炎のある患者に使用しない
    投与経路の変更(静注→経口で投与)

適応
・IBD(炎症性腸疾患)、パルボウィルス性胃腸炎
・腹膜炎、腸炎、消化器型リンパ腫など消化管運動が抑制される疾患。
・神経学的理由などにより誤嚥性肺炎のリスクが高い症例
・猫の肝リピの初期治療、食道拡張など
・食欲の無い患者の維持


☆必要エネルギーについて☆
 DER:1日必要カロリー
 RER:安静時要求エネルギー

 RER=BW×BW×BW×√×√
 DER=RER×(1.0~1.8)…犬
 DER=RER×(0.8~1.6)…猫

カロリーの過剰投与は、高血糖や高脂血症、脂肪肝等のリスクが上昇するため注意。
静脈栄養時の必要カロリー=RERが安全で適切と言われている。




☆準備する輸液剤☆
 ①糖・電解質液:ハイカリック液(テルモ)
 ②脂肪乳剤  :イントラリピッド(テルモ)イントラリポス(大塚製薬)
 ③アミノ酸製剤:プロテアミン12注射液(テルモ)
 ④等張電解質液:リンゲル液や乳酸リンゲル液
 ⑤その他   :ビタミンB製剤、カリウム

①、②を用いて必要カロリーをまかなう。①は高張液で静脈炎を起こす為、②をメインにする。(静脈投与ができる最大の理由)
③アミノ酸は、糖脂肪から得られるカロリー100kcalあたり1~6g添加。
*注意 腎機能、肝機能の低下した患者の場合、高BUN、高NH4の恐れがある為、少なめにする。また、蛋白漏出性疾患の場合は、増量する。
④1日に必要な水分維持量の不足分を補う
⑤アシドーシスの発現を防ぐ為にチアミンを添加することを推奨

☆投与計画の立て方☆(例10kgの犬)

①RERを求める。
 RER≒394kcl/day
②水分維持量を計算する。1日の総輸液量となる。下痢、嘔吐の場合は、総質量を足す。
 水分維持量700ml/day
③脂肪からのカロリーを決める。(必要カロリーの60~100%)
 脂肪からのカロリーを80%にすると394×0.8≒315kcal
 イントラリポス20%なら157.5ml(イントラリポス20%:2kcal/ml)
④糖・電解質液からのカロリーを決める。(RERー脂肪からのカロリー)
 394-315=79kcal
 ハイカリック3号なら約55.2ml(ハイカリック3号1000kcal/700ml)
⑤アミノ酸量を決める。
 成犬2~3g/100kcal,成猫3~4g/100kcal、ウサギ1~2g/100kcal
 アミノ酸量を3g/100kcalとすると11.82g
 プロテアミン12なら98.5ml(プロテアミン12 0.12g/ml)
⑥水分不足量を計算する。(リンゲル液)
 脂肪乳剤、糖液、アミノ酸液の総量311.2ml
 水分不足量は、700-311.2=388.8ml
⑦カリウム濃度を決める。(20~30meq/L)
 リンゲルとハイカリックに含まれるKを差し引く。
 13.6meq不足。
⑧ビタミンB製剤を添加


☆注意点☆

感染、静脈炎、血栓形成の副作用が考えられる。
・静脈栄養に使うラインから、他の薬剤の投与を行わない。
・細菌の培地となるため三方活栓等は使わない。
・ラインのつけ外しは最小限とする。
・同一の静脈カテーテルは、長期使用せずに数日で交換。
・調剤は、1日必要分をそのつど作るようにする。