今日はコーン、10m、ネイキッド レディ、テナーサックス、シリアル26万6千台の紹介です!
私の大好きなコーンのサックスの中でも一番有名なモデルがこのMモデル、ネイキッドレディですね。
コーンの多くのモデルの中でも恐らく前作のチューベリーと並んで最も人気のあるモデルではないでしょうか。
コーンのMモデルは1935年、シリアルで260000から製造されていました。
今回の楽器は266xxx台という事でその翌年、1936年に作られたものですね。
コーンの10mと言えばデクスター・ゴードンが有名ですね。
コーンの10mにデュコフのハリウッドモデルという組み合わせで1965年くらいまで使用していました。
その後、セルマーのマークVIにオットーリンクのスーパートーンマスターというその当時では最も良く見られる組み合わせに変えています。
フランスの空港でコーンの楽器を盗まれてセルマーの楽器を買ったなんて噂がありますがデマ?
セルマーは1950年くらいのSBA辺りから人気が出始め、マークVIでその人気を不動のものにします。
ほとんどのミュージシャンがセルマーを使用、あるいはセルマーに乗り換える中でデクスターさんは長くコーンの楽器を使用していたようで、かなり気に入っていたんでしょうね。
マークVi以降の現代のサックスと比べると持った感じからして全然違います。
テーブルキーの形状が全然違うので初めて吹く人は非常に驚かれます。
特に再低音のBbは下に操作するのではなく奥に押し込むような感じで戸惑う人が多いです。
私はこっちの方が使用歴が長いので全然気にならないですけどね。
トーンホールは淵が丸められたカーリングトーンホールになっています。
また低音のBb、Bのトーンホールがセルマーなどとは逆で演奏者から見て左側に並んでいるのもMモデルの特徴の一つです。
実際吹いた感じはとても柔らかく、つやのある音だなという印象です。
現代の楽器と比べると上の方の倍音がそれほど多くないので常に柔らかく、素朴な感じすらあります。
現代の楽器の方がいろんな意味できっちりしているので、なんというか楽器の方で効率の良い音やピッチを作ってくれるようなところが大いにありますが(メーカーの思う良い音?)、こういった昔の楽器はそういうところがあまりないので、吹いた息がそのまま音になるという感じでしょうか。
よって熟練した人にとっては楽器の方で効率よく補正してくれない代わりに自分で音色を作ったり自分ですべてをコントロールするような楽しさがとてもありますね。
クルマで言えばMTとATみたいな感じでしょうか?
車も楽器もMTが最高ですね!