今日はホルトン、エルクホーン、アルトサックス、ゴールドプレートの紹介です!
ホルトンと言えば金管楽器のブランドとして現在でも良く聞く名前ですね。
もともとトロンボーン奏者であったフランク・ホルトンさんが1989年に楽器店から始まったそうで、金管楽器に使われるオイル等を製造販売していたそうです。
1960年代にルブランに買収されその後ルブランがコーンセルマーに買収されるので現在はブランド名だけが残っています。
金管のイメージがあるホルトンですが、実は昔サックスも作っており、チャーリーパーカーも一時期使用していました。
今となってはビンテージサックスの中でも非常にマニアックな楽器ですね。
今回の楽器はシリアルが2万3千台という事で1926年くらいに作られたものと思われます。
このくらい古いものになると正確な記録が残っていないのか、シリアルナンバーも所説あり、1914年製だという記録も見かけますが、ベルの彫刻にエルクホーンという刻印があり、ウィスコンシン州のエルクホーンに工場があった時の物と思われます。
エルクホーン工場が1918年にできたそうですから、1926年が正しいと推測されます。
どちらにしてもほぼ100年前の楽器ですね!
この楽器は表面が金メッキなのですが、すり減ってしまい、下地の銀メッキが出てきています。
ゴールドプレートでもこれだけ古いものだとさすがに摩耗しますよね。
そして特徴的なのはトーンホールがソルダードタイプになっているところです。
普通はトーンホールをは管体から真鍮を引き上げて成型するわけですが、ホルトンやマーチン等の一部のメーカーではトーンホールを後から半田付けしています。
非常に手間がかかりますが強度などの面ではとても優れているといわれています。
まず持って見ると非常に軽いことに驚きます。
キーなどの作りも曲線が多く使われており、彫刻も精緻で美しく、楽器というか美術品のような感じさえします。
実際に音を出してみると、軽さからくるのかとても素朴な、そして軽やかな音ですね。
今の楽器と比べると音量は当然負けますが、とても木管的な柔らかい素朴な音色にはびっくりで、非常に魅力的だと思います。
キーの配置はコーン等のアメリカンビンテージと同じ感じでテーブルキーに関してはとても小さく、あまり操作性は良くないですが、慣れです。
こういう古い楽器を吹いてみると、現代の楽器が音量や操作性等いかに進化しいているか良くわかります。
しかしながら音色という一点のみで考えてみるとその素朴さや柔らかさ等、やっぱりビンテージサックスは面白いと改めて感じました。
私がこの楽器を購入する前に有名な某クラシックサックス奏者の方が試奏されたそうですが、ほとんどアドルフサックスと同じですねと仰っていたそうです。
サックスを発明したアドルフサックスさんの頭の中にあったサックスのイメージはこの楽器のように柔らかく素朴なイメージだったんでしょうね。