今回はデュコフ、スタビー、3☆の紹介です。

デュコフと言えばKenny GやDavid Sanbornがまず思い浮かびます。
ハイバッフルマウスピースの定番であり、スムースジャズからロック、ジャズまで様々なミュージシャンに愛用されています。
今回のマウスピースはそんな現代のデュコフではなく、1940年代に作られたスタビーと呼ばれるマウスピースです。
素材は真鍮、表面は金メッキで非常にオーソドックスな仕様です。
オリジナルの開きは3☆ですが、リフェースで有名なBrian Powellさんにより7番に変更されています。
さらにゴッツさんに調整とリプレートをしてもらいました。
さあ、観察してみましょう。



やはり昔のマウスピースなので、中がかなり大きいですね。
ウインドウ部分も大きく開いています。
またバッフルはほとんど付いておらず、入り口からチェンバーが丸く掘られています。

開きが3☆という事で現在からみれば非常に狭い感じがしますが、昔はこれくらいが普通でした。
その代わり中の容積が非常に大きいのでたっぷり息を入れて、中でよく響かせて音を出すようなイメージでしょうか。
今回の物は7番にリフェースされています。
おそらく前の所有者が現代のサックスに合わせたくて広げたのだと思いますが、やはり大切なのはバランスだと思うので、こういった古いラージチェンバーのマウスピースにはやや無理がある開きかなとも思います…。
同年代のオットリンクのFour Starと比べるとややバリッとした音色ですね。
Dexter GordonがマークⅥを使う前にコーン10Mとデュコフの組み合わせで演奏されていますが、柔らかい音の中にパリッとしたエッジも感じる素晴らしい音ですね。
ちなみにこういう古いマウスピースはやはり古いサックスに合わせないと真価を発揮することはできません。
現代のサックスに大昔のマウスピースを付けて吹いてみるとなんだかモコモコして鳴らないな~という感じがすると思います。
逆に古いサックスに現代のマウスピースを付けると物にもよりますがなんだかバリバリして抵抗がない感じがします。
やはり同じ年代の組み合わせが一番ですね!