『Autumn In New York』 JAZZ お薦めの1曲 | 持病は全快!ギターを背負ったへっぽこライダーのブログ

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≪JAZZ、今回のお薦めの1曲≫音譜

今回は、素敵な秋の歌。今日のお届けはビックリマーク

『Autumn In New York』

今回ご紹介する曲は、「オータム・イン・ニューヨーク」。
「ニューヨークの秋」の邦題で知られる作品です。
なんか、ちょっと前にご紹介した「April In Paris(パリの4月)」と、
タイトルのイメージが、似てると思いませんか。
季節と場所を変えただけで、シリーズっぽい感じがしますよね。
そうなんです。作曲が同じ、数多くのスタンダードを生み出している作曲家の、
バーノン・デュークなんです。しかも、今回は、作曲だけでなく、作詞もして
います。

春と秋があるんだから、夏や冬もあるんじゃないかと探したんですが、夏は流石に
ありませんでした。「夏のフロリダ」なんてジャズっぽくないし、でも冬は・・・
冬?冬の?冬のリヴィエ・・・あ、それは日本の曲だ。やっぱりありませんでした。

ところで、この「オータム・イン・ニューヨーク」も1935年のレビュー、
「サムズ・アップ」の為に作られたのですが、あまり人気が出ませんでした。
それが、ここまでのスタンダード・ナンバーになったのは、あの、フランク・
シナトラが歌ってヒットしたからだそうです。

歌の内容は、秋というと、夏が終わり寂しいとか、木の葉が散って物悲しいと
いう様な、どちらかというと失恋の匂いがするイメージなのですが、この作品は、
「ニューヨークの秋は何故、こんなに魅力的に感じるのだろう」から始まり、
「故郷にいる様な気がする」と癒され、「新しい恋の訪れを予感し、ここで
生きているのも良いものだ」と締めくくり、ニューヨークで過ごす秋を、
素敵なものとして表現しています。
そのため、秋のニューヨークのから受ける雰囲気を大切にしたメロディのため、
演奏もノリノリではなく、ゆったりとしたバラードが似合うようです。

曲とメロディの構成はというと、これも、「パリの4月」同様、説明に困るの
ですが、最初の4小節をAとすると、A→A→違う展開の8小節→A→Aを
モチーフにし音程を変えたマイナーのメロディ4小節→違う展開の4小節→
A'で終わるという、様々な動きがあるメロディで、ハーモニー進行も、始めは、
Fのコードを基にした展開からスタートし、様々な種類の転調を繰り返し、
最後は、元のKeyであるFの同主調であるFmで終わるという凝った作りに
なっています。

これは、歌詞の持つ内容と、その流れに合わせてメロディが作られていったから
ではないかというのが、分かる様な気がします。

さて、その歌詞を、早速訳してみようと思いますが、この曲にもヴァースがあり
ますので、そのヴァースから訳してみたいと思います。
※ヴァース(Verse)
 普通は、詩とか節といった意味の言葉ですが、ここでは、テーマとなる部分の
 前振りとか、前置きといった使われ方をしています。
 しかし、実際の演奏で使われることは、あまりありません。


ヴァースの歌詞は・・・
「淋しい休日にさよならし、灰色で憂鬱な日を過ごした田舎に
 急いで分かれを告げる時だ。

 私は、マンハッタンのホテルに行こう。
 私は、投機して勝った株を用意し、バラ色の家財道具を並べるつもり。
 
 ここは、27階のフロア。私が憎み、思い焦がれた街を見下ろそう。」


どうやら、かつて生活し辛い思い出のある街へ、チャンスを掴んで帰って来た
様な雰囲気ですね。

テーマの歌詞は・・・
「ニューヨークの秋。何故こんなに魅力的に見えるのだろう。
 ニューヨークの秋。最初の夜はゾクゾクするような事になるだろう。
 鋼鉄製の峡谷に見える、派手に煌めく群衆と、かすかに光る雲。
 それらは、私を、故郷に居る様な気にさせる。

 ニューヨークの秋。それは、新しい恋の兆しをもたらす。
 ニューヨークの秋。それは、時として苦しみも忍びこませる。
 財産のない夢想家達は、魅惑的な世界にため息をつくだろう。
 ニューヨークの秋。改めて住むのもいいものだ。

 ニューヨークの秋。日没にかすかに煌めく屋根。
 ニューヨークの秋。あなたが疲れ切った時、気持ちを高揚させてくれる。
 リッツで昼食をとっている、疲れ切った道楽物達と離婚した男達。
 彼等はあなたに、「これは、素敵だ!」と言いたいことだろう。
 
 ニューヨークの秋は、スラム街をメイフェア(ロンドンの高級住宅街)に
 変えてしまう。
 ニューヨークの秋、あなたはスペインのお城なんて欲しくなくなるだろう。
 セントラルパークのベンチに腰掛け、暗闇に感謝する恋人達。
 素晴らしいニューヨークの秋。改めて住むのもいいものだ。」


と、おおよそこんな感じじゃないかと思います。
一旦離れたニューヨークに、再び舞い戻って来て、街明かりにゾクゾクし
自分の居場所はここだ、と実感している・・・。
実は根っからニューヨークが好きだったんですね。

そういった思いを、じっくりと歌った様な演奏が多い様に感じます。

さて、今回のミュージシャンが語るニューヨークの秋の魅力は、どんな物でしょう。


ジャズの面白いところキラキラ
  同じ曲でもミュージシャンが変わると全然違う演奏になる為、
  聴き比べる楽しみがありますグッド!


今回も、スタジオ盤が中心になってしまいましたが、
リラックスしてお聴き頂ける、なかなか味わいのある曲と演奏を
楽しんで頂けると思います。



1.ジョー・スタッフォード(静止画)
  コーラスグループ「パイド・パイパーズ」のメンバーとして、BIG BAND・
  トミー・ドーシーオーケストラの専属として活動しました。その後、ソロになり、
  数々の作品を残した、正統派の白人ヴォーカリストです。
  これまで、ご紹介してきたジャズ・ヴォーカリストは、皆黒人のヴォーカリスト
  ですが、聴いてお解かりの通り、声の質といい、表現の仕方といい、まったく
  違った世界を持っています。
  ジャズファンの中には、白人ジャズヴォーカリストのファンが結構多く、改めて
  ジャズの懐の深さを感じさせられます。
  この「Autumun In New York」は彼女の代表曲の1つです。


2.ケニー・バレル(静止画)
  続いては、ギタリストのケニー・バレルによる、バラード演奏をお聴き下さい。
  ケニー・バレルは、デトロイト出身の黒人ギタリストで、地元を訪れた
  ディジー・ガレスピーの目に留まり、スター・プレイヤーへの第一歩を踏み
  出しました。
  その後、ブルー・ノートからデビュー・アルバムをリリースし、ハウス・
  ミュージシャンとして数々のセッションにも参加することで、人気NO.1の
  ギタリストとして認められていきました。
  黒人ギタリストといっても、黒人の血は32分の1しか入っていないそうで、
  その為か、ブルージーな演奏を得意としながらも泥臭くならず、とても都会的
  な匂いのするプレイ・スタイルが特徴で、他には類をみない、味のある魅力的
  なギタリストです。
  ここでは、アルバム「ブルー・ライツVol.1」からの演奏で、しっとりと
  した雰囲気で、これぞモダンジャズ・ギターという様な、味わいのあるプレイ
  を聴かせています。


3.エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング(静止画)
  この企画ではお馴染みのジャズ・ヴォーカリスト、エラ・フィッツジェラルド
  と、ジャズの王様と呼ばれた、トランペッター・ヴァーカリストでエンター
  テイナーでもあるミュージシャン、ルイ・アームストロングの共演です。 
  ここでは、交互に歌った後、2人の絡みも聴けてなかなか豪華な演奏です。
  味わいのある歌と演奏を、お楽しみください。


4.アル・ヘイグ(静止画)
  ここで、ピアニストのアル・ヘイグのアルバム「ジャズ・ウィル・オー・ザ・
  ウィスプ」からの演奏をお聴きください。
  アル・ヘイグは、40年代前半、まさにビ・バップが盛り上がろうとしていた
  時期にキャリアをスタートさせた、白人のピアニストです。
  チャーリー・パーカーをはじめ、数々のミュージシャンとセッションを重ねた
  ピアニストですが、バップ系のミュージシャンの中でも、一味違った、品のある
  プレイを聴かせたあたりが特徴のプレイヤーです。
  ここでも、ブロック奏法や、心地よく転がる様なシングルノートのフレーズを
  繰り出しながら、気持ちの良い、ニューヨークの秋の情景を表現しています。


5.ソニー・スティット(Live映像)
  ビ・バップ創世記から活躍しており、アルトもテナーもこなすサックス走者、
  ソニー・スティットの演奏をお聴き下さい。
  ソニー・スティットは、そのフレージングから、チャーリー・パーカーの影響
  を大きく受けているように言われていますが、確かに影響はあるにせよ、まさに
  ビ・バップが生まれようとしていた時期に、チャーリー・パーカー等と活動を
  共にしていたために、自然と似たスタイルになったというのが真相の様です。
  ここでの演奏は、1978年の日本公演の模様の様で、バックにはギタリストの
  ケニー・バレルの姿も見えます。
  しかし、ここはソニー・スティットの独壇場で、ゆったりとしたテンポに乗って、
  細かいバップ・フレーズを盛り込みながら、大きく、情感たっぷりに歌います。


6.デヴィッド・マシューズ&フレンズ(Live映像)
  CTI等の作・編曲家として活躍し、その後もジャズ・フュージョン界で数々の
  ヒットを出したピアニスト、デビッド・マシューズがリーダーを務めるバンドでの
  演奏です。
  全体に、とても聴きやすいアレンジと演奏になっており、ハードなジャズが持つ
  緊張感はありませんが、ゆったりとお聴き頂くのには、ピッタリかもしれません。
  今回は、トランペットとサクソフォンがフロントを務め、軽やかな「ニューヨーク
  の秋」を聴かせてくれます。


音源を使わせて頂いた皆様ありがとうございますビックリマーク

さて、今日の曲はいかがでしたでしょうか。
ゆったりとしたジャズをお楽しみ頂けたら良いのですが。

次回は、超人気のスタンダードをお送りいたします。


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