監督 フィト・パエス

脚本 フィト・パエス/アラン・パウエル

出演 セシリア・ロス

    ガエル・ガルシア・ベルナル



日本の大学生はいろいろあったんです!




ストーリー

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美しく有能な42歳の女性カルメンは

貴族の父の財産分与のために

一時帰国する。


彼女は、過去に起こった軍事クーデターの際

夫とともに国家に捕まった過去をもつ。

夫と心を失った彼女は故郷を捨て

マドリッドで暮らしていたのだった。


久しぶりに帰った故郷で部屋を借り、

過去のトラウマから

人と接することができなくなった彼女は

雇った男女の睦言を隣室で聴くことで

性的欲求をみたしていた。


ある晩20代の男グスタボが女性と連れ立ってやってきた。

その声に何かを感じたカルメンは

次は一人で来るように告げる。


グスタボに本を読ませる日々が続く。


顔を見せない謎の女性に惹かれ始めるグスタボ。

グスタボの声に惹かれるカルメン。


はじめは避けていたカルメンも、グスタボの

熱い想いに動かされ、

心を許すようになる。


日本の大学生はいろいろあったんです!




しかし、過去のトラウマから逃げられないカルメンは

グスタボと触れ合うことで

より傷ついていく。


それを見咎めたカルメンの親友である医師は

グスタボにカルメンと会うなと忠告する。


しかし、それを聞かない二人。


そして、とうとう

傷が深くなるカルメンはある行動をとる。



はい。ネタバレ

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初めてグスタボと寝た夜。

過去の拷問を思い出し

夢遊状態で自殺を図る。


それを見つけたグスタボはすぐに病院に運ぶ。


カルメンは一命を取り留めたものの、

大量に失った血のために

グスタボも血液検査をすすめられ

彼らが親子であることを知る。


カルメンが投獄生活中に生んだ子供は

子に恵まれない兵士夫婦に譲られた。

それがグスタボだった。


ショックで動揺したグスタボは

育ての親のもとへ詰め寄る。

行き場の無い想いに混乱した彼は

父を刺し殺す。


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でした。




深い話です。


1976年に起こった

アルゼンチンの

軍事クーデターと

当時の恐怖政治により

心に傷を受けた人々の様子と

現在まで残る後遺症について

深く描かれています。


何よりも最後の台詞が忘れられません。


刑務所にいるグスタボに

面会に行ったカルメン。

初めて親子として触れ合う二人。

そこで泣き崩れるグスタボに一言。


「そんなに悪い結末じゃないわよ」




この一言が

この映画をよりリアルにしていると思うんです。



映画を見ている観客にとっては結末・・・・

しかし、二人の人生にとっては結末じゃない。


カルメンの後遺症はおそらく治らないだろうし

この事実は無くならない。


きっと変わらない生活を送っていくんでしょう。


それでも、悲観しているのでなくて

精一杯強がる・・・というか

前を向いている。



これからの、未来に向けた

ポジティブな言葉だと思います。







物語の途中で

二人が親子だとわかるシーンがあるんです。


グスタボがカルメンの部屋で

カルメンと死んだ夫の写真を見るシーンがあるのですが。

その死んだ夫がガイヨなんです。

おんなじ顔だから、すぐわかるんです。


だからそれほどの衝撃もなくて

あぁ~、やっぱりそうなんだ。

という感じで事実を知らされます。



それが余計に

リアルに感じさせる要因になっている。





す~っごい重い映画ですけど、

この二人の演技だからこその

印象深さですね。


静かに、でも、重くなりすぎない演技力。


キャストさん。すごいです。