ロシア映画

デイ・ウォッチ。


監督 ティムール・ベクマンべトフ

出演 コンスタンティン・エルンスト


ナイト・ウォッチの続編ですね。





ナイト・ウォッチが

すっごく中途半端な終わり方だったから、

3部作だと聞いて、

妙に納得。




願いが叶うチョーク。

これがすべてのカギを握る。


このチョークを争う光と闇の異種たち


それぞれの思惑が重なり合う。


休戦協定に飽きて

戦争を始めたい闇と

平和を維持させたい光。


の対立に

われらがアントンが巻き込まれる。

さぁ、どうする!?



ストーリーは

前回に比べて

闇の勢力側に焦点を当てている。


と、「愛」についてですね。



父と子の愛と恋人の愛



父を憎んで闇側についたはずのイゴール

父への愛の裏返しだった。


スヴェータもアントンを愛してて

それが、重なって・・・・。


結末に・・・・。


っていう話。





闇側のデイ・ウォッチに焦点を当てている分

前作よりも

画面は明るい。

昼の行動が多いんですな。


そてに、コメディ要素が増えている。


スヴェータとアントンの唯一といっていい

濡れ場。

ほんとに濡れ場。


爆笑ものでした。



アントンとオリガが体を入れ替える

話もあって

笑いが増えていました。


でも、涙もあったり

基本的にはダーク・ファンタジーと言ってもいいのか・・・。




ロシアで成功したというのは

すっごいロシア的な要素が盛りだくさんで

現在のロシアをそのまま映し出した

鏡のような映画だったことから伺える。


ロシアという国は

西欧的でありながら

モンゴル族の支配時代もあったりして

アジア的な要素も含みつつ

超大国だった時代もあり

でもその超大国は崩壊したり

現在はオイルマネーで一部だけが

すっごい富裕層で

先進国になりつつあるんだけど

でも、郊外の貧困層の問題は大きくて。

複雑な歴史と問題を持つ国。



ソ連時代は無神国家であった為に

キリスト教からは少し離れた価値観を持っている。


そのためか、闇VS光という対立なんだけど

どっちが悪とか善とか言い切れない対立になっている。

ロシア国内でも闇側のキャラクターの人気が高いそうだ。



光の異種たちは

人を襲ったりしないんだけど

完全に統制のある組織に属してて

ルールに縛られて行動してる。


闇の異種たちは

ヴァンパイアとか呪術師がいて

人に危害を加えるんだけど

比較的自由に、欲望のままに

行動してる。




これって

社会主義時代のソ連と

現代の自由な社会の対比と同じ。


自由な社会は自由だけど

過去ほどの栄光はない。




でも、この映画は

その西欧コンプレックスなんか

吹き飛ばしてしまうくらいの

衝撃をロシアに与えた。



今までにない映像の革命。

今までにない映画ジャンルの開拓。



ロシアの底力というものを

観客は感じ取ったのだろう。


最近のアンケートで

ロシア人の選ぶ

存命していない英雄投票で

見事一位に輝いたのはスターリンだという。


ロシア史上最高の興行収入をあげたのも

この理由。




でも、結局

スタッフたちは、

長い間ハリウッドでならしてきたロシア人

ハリウッドの技術。


その技術を最大限発揮するために

ロシア中の映像会社を一つにまとめた。


競争がなくなったって事。



やっぱりロシア的。

そして、西欧の力。




この監督さん。

「ウォンテッド」でまた

このすごい映像を披露してますね。


マカヴォイ君も出てるから

見に行かなくちゃ。





とりあえず

見つけてきた画像。




下左からアントン・スヴェータ・オリガ