~答え合わせを求められる場面から感じたこと~
最近、確定申告をご依頼くださったお客様から、
「自分で調べた内容が合っているか確認してほしい」とご相談を受けました。
おそらくネット検索や生成AIで調べられたのだろうと思います。
ただ、拝見すると、今回のケースでは適用できない特例ばかり。
専門家の立場からすると「その方向には該当しない」ということはすぐ分かるのですが
お客様にとっては“気になるポイント”だったのだろうなあ~と思いました。
税理士業界で約30年ほどいますが
確定申告でレアな規定をお客様から質問されることは
ほとんどありませんでした。
だからこそ
「そんな視点があるんだ!」
と新鮮でもあり、同時に
これからは“生成AIの答え合わせ”を求められる時代になるのだな
と実感しました。
専門家としての役割と、AIとの距離感
もちろん、税理士として「最も有利な方法で申告を行う」ことは当たり前です。
それが私たちの専門性であり、誇りでもあります。
ただ、正直なところ──
お客様が生成AIで調べた内容の“正誤チェック”をするだけの役割にされると
どこか少しだけ、胸の奥にモヤモヤが残ることもあります。
「税理士として頼りなさを感じさせてしまったのかな?」
「私の説明が十分に伝わっていなかったのかな?」
そんな気持ちがふとよぎることもあります。
もちろん、お客様に悪気はありません。
むしろ「きちんと理解したい」という前向きな姿勢の表れです。
でも、専門家としては、少し複雑な気持ちになってしまうのです。
~私は “生成AIに使われる側” ではなく “活用する側” でいたい~
生成AIは確かに便利なツールです。
私自身も、業務の効率化やより高い価値提供のために積極的に
活用していきたいと思っています。
だからこそ、
「AIの答え合わせ係」ではなく
「AIを使いこなしてお客様により良い提案ができる税理士でありたい」
そう考えています。
けれど現実には
AIで調べた情報の確認を求められる場面が増えていくのかもしれません。。。
それも時代の流れなので、完全に避けられないのだと思います。
ただ、やっぱり私は、
お客様の“検索結果の確認”よりも
“その方に本当に必要なアドバイスをする時間を大切にしたい”
そう感じています。
~「AI時代の税理士」として、これから大切にしたいこと~
生成AIの普及によって、税理士の役割は少しずつ変化しています。
これまでのように、ただ計算して申告書を作るだけでは、価値は薄れていくかもしれません。
これから必要なのは
● 情報を“選び取る力”
ただ正しいか間違っているかではなく、
その人に本当に合った道を見つける力。
● 不安を受け止めるコミュニケーション
どんなにAIが発達しても、
お客様の「これで大丈夫?」
という気持ちに寄り添えるのは人間だけだと思います。
● お客様の人生やビジネスの文脈を理解する姿勢
数字の裏側にある想いや背景を読み取り
トータルでアドバイスできる存在でありたい。
そう思っています。
最後に 〜それでも私は税理士の仕事が好きです〜
生成AIがどれほど便利になっても、
お客様に安心していただくためには
税理士としての経験や直感
そして「寄り添う姿勢」が不可欠だと思っています。
ときどき、答え合わせ役にされてしまい、もやっとすることもありますが(笑)
それでも私は、
「お客様と一緒に歩きながら、最善の道を考える税理士」でありたい。
そう思っています。