
犬の膀胱結石ガイド|原因・症状・治療・予防法をわかりやすく解説
「最近うちの子、何度もトイレに行く…」
「おしっこに血が混じっている気がする…」
「排尿の時、辛そうにしている…」
そんな症状が見られたら、それは膀胱結石のサインかもしれません。
膀胱結石は、細菌性膀胱炎と並んで犬に最も多い泌尿器疾患のひとつです。多くの犬が膀胱結石と診断されますが、すべての結石が治療の対象になるわけではなく、結石の種類によって治療法がまったく異なります。
今回は、犬の膀胱結石の中でも80%を占める「カルシウムオキサレート結石」と「ストルバイト結石」について、原因・症状・治療・予防法をわかりやすくまとめました。
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1. カルシウムオキサレート結石・ストルバイト結石とは?
🔹 カルシウムオキサレート(Calcium Oxalate)
犬に最も多い尿路結石のひとつです。主な発生原因は以下の通りです。
- 酸性化された食事
- 食事中のミネラルバランスの変化
- 犬種による体質的な素因
高齢のオスに多く見られ、ビション・フリーゼ、ミニチュア・シュナウザー、ポメラニアン、マルチーズなどの小型犬種でリスクが高いと報告されています。結石は非常に小さく、多数形成される傾向があり、pH6.5以下の酸性環境で発生しやすくなります。
🔹 ストルバイト(Struvite)
こちらも非常に多い尿路結石で、メスに多いのが特徴です。主に尿路の細菌感染によって発生します。ストルバイト結石は大きく、1個で形成されることが多く、楕円形をしています。pH7以上のアルカリ性環境で発生しやすくなります。
💡 この2種類だけで、犬の尿路結石全体の約80%を占めます。また、膀胱結石は特定の犬種で発生しやすい傾向があります。
2. 膀胱結石の症状は?
臨床症状は結石の位置によってさまざまです。無症状の場合もありますが、結石による刺激や閉塞が起きると、以下のような症状が見られます。
☑ 頻尿(何度もトイレに行く)
☑ 排尿時の痛み(鳴いたり、辛そうにする)
☑ 排尿困難
☑ 血尿
☑ 小さな結石が尿の中に確認されることも
⚠️ 結石で尿路が完全に閉塞し、おしっこが全く出ない場合は緊急事態です。すぐに動物病院を受診してください。特にオスは尿道が長く細いため、尿道結石による閉塞が起きやすい傾向があります。
3. 膀胱結石の診断は?
膀胱結石は症状だけでは細菌性膀胱炎と区別しにくいため、追加の検査が必要です。
- レントゲン検査:大きな結石を確認できるが、種類によっては写りにくいことも
- 超音波検査:膀胱内・尿管の結石を確認
- 尿検査:結晶の有無で成分を予測できるが、信頼性はやや低い
💡 膀胱結石は1種類だけとは限りません。2種類の結石が同時に発生する「複合結石」のケースもあります。
4. 膀胱結石の治療は?
症状がある場合、手術による除去が最も一般的ですが、結石の種類によって治療アプローチが異なります。
🔹 ストルバイト → 溶ける結石💊
- 処方食で結石の溶解を試みることが可能
- 細菌感染を伴う場合は抗生物質治療も必要
- 定期的なレントゲンで結石のサイズをモニタリング
- 溶解には通常1ヶ月〜数ヶ月かかることも
- 溶解食の期間中は、他のおやつや食事を与えないこと
🔹 カルシウムオキサレート → 溶けない結石🔪
- 手術による除去が基本
- 膀胱鏡による牽引やレーザー砕石術も選択肢
⚠️ 溶ける結石であっても、閉塞が重度の場合は溶解を待たず手術が必要になることがあります。手術後は結石の成分分析を必ず行い、再発防止に役立てましょう。
5. 膀胱結石の予防法は?
🔹 カルシウムオキサレートの予防
カルシウムオキサレートは2年以内に50%が再発するほど再発率が高い結石です。
- 水分摂取量を増やす(ウェットフードやふやかしフードの活用)
- 尿を酸性化させる食材を避ける
- カルシウムオキサレート予防用の市販フードを活用
🔹 ストルバイトの予防
- 十分な水分摂取を確保する
- 泌尿器の感染を防ぐことが最も効果的な再発防止策
- 治療後は処方食で予防し、初期2〜3ヶ月おきの定期検診を推奨
📷 【画像:尿を酸性化させる食材一覧】
💡 Q. 水分摂取量はどうやって増やせるの?
ドライフードを水でふやかして与えるのも効果的な方法です。
まずはフード1カップに水1カップから始めて、3〜4週間かけて少しずつ水の量を増やし、最終的にフード1カップに水3〜4カップを目標にしてみましょう。
まとめ
✅ 膀胱結石は犬に非常に多い泌尿器疾患
✅ 80%は「カルシウムオキサレート」と「ストルバイト」
✅ 結石の種類によって治療法が異なる(溶ける vs 溶けない)
✅ おしっこが出ない場合はすぐ病院へ
✅ 水分摂取・処方食・定期検診で再発を予防
大切な愛犬を守れるのは、飼い主さんだけ。
少しでも気になる症状があれば、早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう🐾
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。愛犬の症状が気になる場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
参考文献:Nelson, R. W., & Couto, C. G. (2019). Small Animal Internal Medicine. / Ettinger, S. J., & Feldman, E. C. (2010). Veterinary Internal Medicine.


