私、BABYMETALの味方です。 -23ページ目

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日3月16日は、2016年、MTV JAPANがBABYMETALインタビュー番組を放送することを発表し、2021年には、BABYMETAL BUDOKAN-Ⅷが行われた日DEATH。

<2021年3月16日10 BABYMETAL BUDOKAN DOOMSDAY-Ⅷ>
01.In the Name of
02.Distortion
03.PAPAYA
04.ギミチョコ
05.ド・キ・ド・キ☆モーニング
06.BxMxC
07.Brand New Day
08.メギツネ
09.KARATE
10.ヘドバンギャー!!
11.Road of Resistance
(アンコール)
12.THE ONE
13.イジメ、ダメ、ゼッタイ
アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:ISAO(南西=下手G)、BOH(北西=B)、青山秀樹(北東=D)、大村孝佳(南東=上手G)

10 BABYMETAL BUDOKAN 3月ステージの2日目。
入場したのは昨日とほぼ同じ時間帯だったが、BGMは昨日とは異なっていた。とはいえラップメタル、Nu-Metal中心で、Linkin Park(2013年サマソニ「リンキンパークはこっちじゃないぞ」)、Limp Bizkit(「おねだり大作戦」の元ネタ)、AVENGED SEVEN FOLD(2016年Carolina Rebellionでステージを見に来た)、KOЯN(2017年ツアー帯同)、Bring Me The Horizon(2019年ジャパンツアーOA)といったベビメタゆかりのバンドが多い。BABYMETALは、この10年間で、メタルシーンの第一線にいるこれらのバンドの「仲間」になったのだ。これも、10年間を振り返る10 BABYMETAL BUDOKANらしさである。
定刻18:30。
客電が消え、KOBAMETALの「きつねだおー。諸君、本日はBABYMETAL日本武道館10公演へようこそ…」から「2020年、世界は突然、DYSTOPIAによって破壊され、我々はメタルの叫び、すなわち歌うことを禁じられた…」という「キツネ様のお告げ」、南側座席の手拍子によるベビメタコール、北側座席の足踏み、東座席から西座席へのビッグウェイヴ・ヘドバンの練習へと続く「前説」が始まる。
5000人の来場者が、KOBAMETALの指示に従って、「声を潜める代わりにあらゆる表現」を扱って「THE ONE(ひとつ)」になるさまは、もう見慣れた光景であり、これが「コロナ禍中」のライブの標準になることが、「新たな伝説」なのだと思う。
連続8回目に達した10 BABYMETAL BUDOKANでは、BABYMETALが生歌・生演奏のメタルバンドでありながら、ダンスや振り付けがあり、照明、レーザー、映像などを含めたドラマチックな総合表現になっていることが、モッシュやシンガロングを禁じられた状況でも、振りマネをしたり、視覚的に楽しめる利点になっていることを痛感させてくれた。
特に、ステージと客席の対面式ではなく、360度どこからでも見られる中央ステージ構造で、たった3人の女の子が歌い踊るパフォーマンスが、もはやアートというしかないステージング・レベルに到達していることは、日本芸能史、あるいはロック史上に残る「新たな伝説」といっていいだろう。
1回あたりわずか5000人しか見ることができないのが本当に惜しい。
それほど、10 BABYMETAL BUDOKAN-DOOMSDAY-Ⅷの完成度は高かった。
セットリストは、前日Ⅶと同じ。
だが、随所において、パフォーマンスのクオリティが昨日を上回っていた。
例えば2曲目の「Distortion」は、「In the Name of」の荘厳で神秘的な登場シーンに続いて、不穏な不協和音の中「♪ウォーウォーウォーウォー…」のコーラスにより、DYTOPIAである東京に、救世主BABYMETALが降臨した!という印象を与えるセトリなのだが、昨日はSU-METALのピッチがやや不安定に聴こえた。それが今日はカンペキで、降臨感、カッコよさが際立っていた。
し、続く3曲目「PAPAYA!」での「Are you ready?Jump! Jump! Jump!…」の煽りで、観客がヒートアップしてタオルを振り回す盛り上がりも、今日は5000人が「一糸乱れず」という一体感があった。
「BABY、METAL!ちゃっ!ちゃっ!ちゃっ!ちゃっ!」というSEに合わせた手拍子コールからの4曲目「ギミチョコ!」は、昨日も3人はステージの十字線バミリの上を寸分の狂いもなく動き回り、正確でキレがあったが、今日はそれに加えて、表情や体の動きがよりダイナミックでパワフルに感じた。間奏部のSU-の煽りは、昨日は「10BABYMETAL BUDOKANにようこそ!」だったが、今日は「みなさん、今日は10 BABYMETAL BUDOKANに来てくれてありがとう!」で、客席も「ウォー!!」という歓声で応えた。3番の「♪やばい超超グッド、超いっぱい、頑張っちゃうんです」のところの、MOAと百々子のKawaiiつま先ダンスも、今日は自然に目線が釘付けになっちゃうほど、神経が行き届いていた。
次の5曲目、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のKawaii歌詞と、ヘヴィなリフとのギャップ感による楽曲としての完成度も半端なかった。数年前からSU-はもう成人しているわけだが、歌い方や「顔芸」はますますKawaiくなっている。MOAのScreamは、「10 BABYMETAL YEARS」では声変わり前で全然違う声質なのに、こちらもKawaii表現に磨きがかかっている。しかも、360度見られる武道館のセンターステージで、ダンスは小学生の時と同じように身体全体を使っているのだ。2019~2020年のMOAは、以前書いたように、YUIがいなくなったことで、ブラッシュアップされ、YUIの担当だったエレガントさも内包し、表現の幅が大きくひろがった。しかもタイプの異なるアベンジャーに合わせて、ステージ上で微調整することもあった。
だが、ここ半年は、アベンジャーが岡崎百々子に固定され、彼女のダンスがパワフルで粗削りなものから、徐々に洗練され、おっとり感というか、エレガントさを身につけてきたことによって、元々MOAが持っている「おしゃま」な感じが復活しているのだと思う。
今日の「ギミチョコ!」~「ド・キ・ド・キ☆モーニング」の流れは、そんなことまで感じさせるほどに、Kawaiく、かつ小悪魔的なMOAが見られた。
6曲目は「BxMxC」。
昨日はあまりの凄みに驚愕したが、今日はやや冷静に見られた。
まず、「紙芝居」が流れる。「…鋼鉄の戦いの末に、この世の理(ことわり)を超えた新たな伝説が生まれる。メタル界の風雲児が、聖地、天下一メタル武道館に降臨し、最後の決戦に挑む。史上最強の敵は、己れ自身…」といった内容で、オフィシャルMVのイメージに近い。
機械音のイントロに続いて、南・東・西からステージに登ってくると、3人は中央で手首をぶつけてからポジションにつく。これがカッコいい。昨日は聴くばかりだった「♪それなそれな」に、5000人の観客も唱和する。
「♪てきなメタルサイファ…」からSU-がラップし始めると、中央ステージのフロアとサイドのスクリーンに歌詞が流れていく。「♪俺たちのMosh!」のところでも、5000人が叫ぶ。
飛び交うレーザー。重低音の生リフ。正確無比なドラムス。
圧巻はやはり後半のSU-のソロ。ステージ中央のSU-の足元に、言葉たちが浮かんでは集まり、発散し、消える。ダンス、映像、照明、レーザーと一体になったパフォーマンスで、世界に比類のないラップメタル表現になっている。これがBABYMETALのラップメタルなのだ。このために入場BGMで2日間、ラップメタルが流れていたのだ。
続く7曲目「Brand New Day」では、今日また面白い発見があった。
暗転の中、中央ステージ上でダンスする3人の足元が、青く光っている。足首に何かついているのか、それともステップする場所にバミリ用の光が点灯する仕組みになっているのか、わからなかったが、とにかく照明が暗くなると、3人の足元がポッ、ポッと光るのだ。
もちろん、SU-の歌はカンペキ。
「♪眠らせてよLonly Night」とか「♪聴かせてよあのMusic」のあたりの感情のこもった歌い方は、やはりSU-が「歌の天才」であることを思い出させてくれる。
2018年の「Kagerou」以来、BABYMETALでのSU-METALソロは封印された。2019年バージョンの「Kagerou」は、MOAとアベンジャーがダンスするものになった。だが、10 BABYMETAL BUDOKANⅤ-Ⅵでは、「紅月-アカツキ-」が復活し、Ⅶ-Ⅷでは、メタルカラーは残っているものの、シティポップに近い、新境地を表現するSU-METALの「Brand New Day」がフィーチャーされた。
もちろん、この曲もMOAとアベンジャーの表現力豊かなダンス付きで、映像・照明などの総合表現となっているが、その中心にはSU-の歌がある。
それだけでなく、昨日ははっきり書かなかったが、「BxMxC」、「Brand New Day」で明らかになったのは、SU-のダンスがしなやか、かつ、表現力豊かになっていることだ。
中央ステージの十字線バミリを正確にステップするだけでなく、一つ一つの所作や体の中心線が、見事に整っている。そして…以前にも増して、美しくなっている。上部スクリーンにアップになるSU-の表情、視線、大声で叫ぶときも、目をつぶって嬉しさを隠し切れないときも、気品あふれるオーラが出ていて、とにかく大人の女性として、美しい。
ライブが継続してできているという安心感や自信によるものなのか、もっと内面的な成長のゆえなのか、それはわからない。だが、この二日間、SU-が一段と美しくなっていることに、ぼくは目を瞠った。
「Brand New Day」は、そんな大人の女性としてのSU-にとてもよく似合っていた。
8曲目は「メギツネ」。高校1年生のときに、「♪あーあーそうよいつでも女は女優よ」と歌っていたSU-が、本当に大人の女性として大きく成長し、観客を魅了している。これもまた、10 BABYMETAL BUDOKANのだいご味なのである。
(つづく)