私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法

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このブログは、50代にして仕事と家庭を失い、人生を投げかけた中年男が、サブカルチャーを知り、BABYMETALの活躍に勇気づけられて、立ち上げたものです。
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★今日のベビメタ

本日923日は、2014年、日テレ系「ミヤネ屋」でBABYMETALが報道された日DEATH

 

ジャパニメーションの元祖といえば『鉄腕アトム』(1963年)だが、もうこの時点で、原子力ロボットであるアトムは、人間の頼もしい味方だった。

続く巨大ロボットアニメの元祖『鉄人28号』(1963年)も、ロボコップの原型『エイトマン』(1963年)も、人間の命令にとことん忠実で、悪い奴をやっつけてくれる存在だった。

しかも、そのロボットが子ども向けに単純な「善」であるのではなく、「悪」との葛藤があるのが、ジャパニメーションの奥深いところだった。

例えば、アトムの「電光人間」回に登場するスカンク草井は、「アトムは完全ではないぜ。なぜなら悪い心を持たないからな」と発言する。「アトラス」回の原作およびアニメ第2集では、虐げられた黒人科学者ラム博士が、白人への復讐のためにロボットに悪を行わせる「オメガ因子」を開発し、アトラスに搭載する。アトラス自体ははめっちゃ弱いんだけどね。

鉄人28号の主題歌は、「♪敵に渡すな大事なリモコン、鉄人、鉄人早く行け、ギャオー!」という歌だった。ぼくらは巨大ロボット=ハイテクノロジーは、操縦者次第で、善にも悪にもなるのだということを子ども心に学習した。

エイトマンは本名、東八郎というコメディアン、じゃなかった刑事で、交通事故後、脳だけ戦闘用ロボット08号の体に移植された。時速3000㎞(マッハ2.5)で走れるけど、体内に内蔵された原子力エンジンを冷却するために、定期的にタバコを吸わねばならないという間抜けな設定だったが、後年ハリウッド映画になった『ロボコップ』(1987年)がMS-DOSのプロンプトで動くのよりはるかに高性能だった。ぼくのようなバカなガキは、「♪光る~海、光る大空、光るオヤージ~」と歌いながら、大人になったら彼のような体になりたいと熱望したものだった。実現したのはタバコをやめられないという点だけだけど。

このように、ロボットやA.I.やコンピュータは、日本人にとって力強い味方なのであって、悪の組織に利用されないように注意する必要はあるけれど、決してすべからく嫌悪や恐怖を感じるべきものではなかった。

考えてみれば、日本のSFアニメで、ロボットやコンピュータやテクノロジーそのものが「悪」であり、恐怖の対象だという作品はほとんどない。ロボットや改造人間や怪獣でさえ、人間の味方ないしギャグの対象(例えばゴジラのシェー)になるのが、日本のアニメや特撮映画の特徴ではないか。

『ドラえもん』(1979年~)だってロボットだし、Dr.スランプが作ったアラレちゃん(1981年)だってロボットだ。

『宇宙戦艦ヤマト』(1974年)の敵、ガミラスのデスラー総統は悪いロボットだけど、それはテクノロジーが悪いんじゃなくて、ナチスを思わせる全体主義体制の侵略者だからであり、ヤマト側もスターシアに教わった波動砲テクノロジーを駆使して戦う。

『銀河鉄道999』(1978年)は、「機械の体」に憧れて田舎を出発した鉄郎が、最後、機械帝国のネジになるのを拒否して終わるので、テクノロジー否定に見えるが、あの機械帝国とは、都会の資本主義の比喩であって、テクノロジーへの恐怖がテーマではない。

2002年の『攻殻機動隊S.A.C』は、『エイトマン』の現代版で、脳にチップを埋め込み、肢体を機械化する「義体化」=サイボーグ化が進んだ未来の日本が舞台となっており、全身を義体化しても残る人間の「勘」、あるいは電脳にも生じる意識=クオリアを、「ゴースト」と呼び、ゴーストのハッキング=悪用が大テーマになっている。

戦後の日本は、科学立国だった。

もともと「科学的社会主義」を標榜し、「共産主義は電化である」といったレーニンが創設したソ連共産党や、コミンテルンの下部組織だった日本共産党も、重工業コンビナートや原子力発電やコンピュータを、人民のために善用すれば良いものであるとしていた。手塚治虫が共産党シンパだったのは有名だ。

しかし、日本では、社会主義勢力が権力を奪取する展望がなくなると、彼らは、資本主義の発展・強化につながる高度なテクノロジーを「非人間的だ」として、情緒的に否定するようになった。テクノロジーに付随する問題が生じたとき、例えば原発問題や環境問題は、本来、個別、具体的、現実的、科学的に解決すべきものだと思うが、サヨクはそれを政治的な“異議申し立て”の材料とし、テクノロジーそのものを「悪」と決めつける言説が広がった。

その感情は、論拠は全く違うが、欧米人の「良識派」と連帯し易かった。

テクノロジーやコンピュータを開発したのは欧米人だが、キリスト教文化の基盤の上に、帝国主義時代には、アジア・アフリカを武力侵略し、植民地支配を行ったのも彼らである。

キリスト教は、神が「ご自分の姿に似せて」人間を創造したので、神ならぬ人間が「神あるいは人間のようなもの=偶像」を作ることや、生命の操作を行うことを禁じている。

宗派、教会によって温度差があるが、避妊具の使用、輸血、堕胎手術、遺伝子操作や遺伝子治療、自動人形(オートマトン)、人工知能や人間型ロボットの研究開発にさえ、厳しい制限をかけることがある。

しかも、アフリカ人を奴隷にし、アジアで非道な植民地支配をしていた欧米人は、自覚しているかどうかはともかく、被支配者=有色人種にいつか復讐されるのではないかという恐怖心を持っている。実際、先の大戦で、日本軍は最終的に敗れたが、東南アジアからイギリス、オランダ、フランスの勢力を一掃した。

だから、欧米の「良識派」は、「人間のような」人工知能の開発は、道徳観、倫理観に反し、いつかきっと天罰が下ると思っている。A.I.やコンピュータが反乱する映画が欧米で作られ続けるのは、監督も観客も、そういう潜在心理を持っているからだ。欧米人のA.I.科学者は、そうしたプレッシャーとも戦いながら研究を続けているのである。

だが、日本のキリスト教徒は、カトリック、プロテスタント合わせても、人口の0.5%しかいない。

日本の伝統的な宗教は神道と仏教である。

八百万の神とか、山川草木悉皆有仏性という言葉があるように、これらの宗教は、動植物はもちろん、古びた道具や岩にさえ、命が宿っていると教えている。

なんのことはない、オーストラリア人の新進気鋭の哲学者デヴィッド・マーチャーズに「汎経験説」だの「情報の二相論」だの言われるまでもなく、古来、日本人は万物に命=心が宿っていると信じているのである。

被支配者が反乱するという潜在的なコンプレックスも、日本人にはない。

明治維新後、近代化した日本は、台湾、朝鮮を併合し、中国の近代化を支援した。だが、それは隣国がイギリスやロシアに植民地化されないための外交政策だったのであって、欧米列強が帝国主義時代に行い、有色人種に対する潜在的恐怖心の原因になるような、苛烈な奴隷化=植民地支配をしたのではない。近年、WGIPの呪縛を脱した資料が次々と公刊され、戦前の日本が誠実にこれらの国々の近代化を支援したことが検証されている。

「日本書紀」(720年)には車輪の差動を使った「指南車」の記事があり、平安末期の「今昔物語」(1120年?)には、桓武天皇の皇子高陽親王がからくり人形を作ったという記述や、飛騨工(ひだのたくみ)が、客が扉の前に立つと自動的に閉まってしまう「逆自動ドア」付きの部屋を作ったという記述もある。

ポルトガルやスペインとの交流があった安土桃山時代(1500年代後半)には、西洋の機械技術に学んで、歯車、カム、ゼンマイを使った技術精巧なからくり人形を作る職人が全国に広がり、江戸時代には見世物として大人気を博していた。日本はもともと工人の国なのだ。

だから、日本ではA.I.の研究開発には、予算が足りない以外には何の社会的圧力もなく、できあがったA.I.に日本人が「被支配者の反乱」の予感に怯えることもない。

ソニーの犬型ロボットAIBOの発売は1999年、ホンダの二足歩行ロボットASIMO2000年、自動掃除ロボットのルンバは2002年、ソフトバンク・ロボティクスが販売する家庭用ロボットPEPPER、BABYMETALが欧米にデビューした2014年にサービスがスタートした。

レディガガのサポートでBABYMETALの「先輩」にあたる初音ミクをはじめとするボーカロイドのバーチャル・アイドルは、すでに10年以上もライブ活動を続け、熱狂的なファンがいる。

だから、世の中がA.I.だらけになっても、日本人はちっとも驚かない。

先月、Gateboxの婚姻届受理サービスを使って、初音ミクと「結婚」し、11月に結婚式を行うことを公表した公務員男性(35)が話題になった。地上波番組では、コメンテーターたちが「違和感」を表明していたが、週刊文春デジタルによるご本人のインタビュー動画やツイッターを見ると、きわめて真面目な方だとわかる。

ちなみにGateboxとは、40㎝くらいの高さの円筒の中に、ヴァーチャルキャラクターのホログラムを映しだすもので、一緒に暮らし、出先の携帯電話からも「会話」できるA.I.プログラムである。オリジナルキャラクターの逢妻ヒカリの他、去年のマジカルミライでは、限定生産される初音ミクバージョンが予約注文できた。ヴァーチャルキャラクターとの婚姻届をGateboxに送付したユーザーは3,000人以上にのぼるという。

公的な動きもある。

神奈川県では「ロボット共生社会推進事業」を重点施策とし、JAXA相模原キャンパスのある県中央部に「さがみロボット産業特区」を設置して、規制緩和、開発支援、実証実験などを推進している。ぼくの住む街もそのエリア内にあり、今年5月にはJR東海道線辻堂駅北口周辺に「かながわロボタウン」を作る計画が発表され、そこに置かれるロボットを公募している。「Robot Town Sagami 2028」の動画はよくできており、全然期待していなかったのに、最後はボロボロ泣いてしまった。

http://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/

万物に命が宿ることを知っている日本人にとって、A.I.が「心」を持っていることは自明である。鉄腕アトムは人間の味方なのだ。

(つづく)

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