意外に大きい日本の国土 | Love Island

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世の中のシステムは、実は幸せを感じられる不便、便利は不幸を隠し孤立を生み出している。現代社会の計画された便利さの裏に多くの犠牲が伴うことを忘れてはいけない。心と身体が誰かに壊される前に、当たり前という意識を捨てる、常識だろうという考え方を捨てること。

 

意外に大きい日本の国土

  1. ヨーロッパ人から見ると東の果てにある国 日本
  2. 東アジアの国々にとって太平洋との出入口にある日本
  3. 日本よりも大きい国、小さい国
  4. 日本は世界で60番くらいに大きい国
  5. 本州は世界第7位の大きい島
  6. いろいろな形をしている世界の国々
  7. 日本の国土の広がりをヨーロッパ、アメリカ、中国と比べてみよう

わたしたちの住む日本の国土は、弓なりの形をしていて、東西南北に長い列島なので、天気予報を見ていると、北海道と沖縄おきなわとではずいぶん気温が全然ちがうな、というようなことはよくわかります。しかし、それ以外の日本の国土の特徴とくちょうは、なかなかふだんの生活では身近に感じることは少ないと思います。

しかし、日本列島を世界地図でなかで、いろいろな置き方をしてみると、日本の国土についておもしろい発見があるのではないかと思います。日本と世界の国々を比べてみましょう。

ヨーロッパ人から見ると東の果てにある国 日本

2つの世界地図を見てみましょう。

左の世界地図は、私が見慣れた世界地図。わたし

見慣みな太平洋と日本が地図の真ん中にあります。地図の右はし(日本から見て東の方角)にアメリカが、左はし(日本から見て西の方角)にヨーロッパがあります。アジアの国々の人が世界地図を見るときには、このような地図である方が自分の国の位置や周りの国々との関係がわかりやすいでしょう。

右の世界地図は、アメリカやヨーロッパの世界地図です。大西洋を中心にしてアメリカとヨーロッパが地図の真ん中になっています。昔のヨーロッパ人は、大西洋を航海してアメリカやアフリカと行き来していたのですから、このような地図になるのは当然です。ヨーロッパ人やアメリカ人から見ると、日本は地図の右はし(ヨーロッパから見て東の方角)にあります。

アジアを中心にした世界地図(左)、アメリカやヨーロッパを中心にした世界地図(右)

14世紀から16世紀(日本では鎌倉かまくら時代の終わりから戦国時代のころ)のヨーロッパでは航海こうかい技術が大きく発展はってんしたことにより、アフリカやアジアまで船で出かけていき、貿易ぼうえきをしたり、自分たちの領土りょうどにしたりしました。

ヨーロッパ人から見てアジアは東の方角です。特にトルコやイラク、イラン、サウジアラビアなどは、アジアのなかでもヨーロッパに近い地域ちいきです。ですから、こうした地域ちいきを「近東きんとう」とか「中東ちゅうとう」、あるいは、両方をあわせて「中近東ちゅうきんとう」と言います。

日本や中国などの東アジア地域ちいきは、ヨーロッパ人から見ると東の果てです。地球の北の果ては北極、南の果ては「南極なんきょく」ですが、ヨーロッパ人から見た東の果ては「極東きょくとう」と言います。よく、東アジア地域ちいきのことを「極東きょくとう」とぶは、ヨーロッパ人にとっての世界の見方から出てきた言葉です。日本の戦国時代に初めてヨーロッパ人が日本にやってくるまで、日本は見たこともない、はるか東のかなたにある伝説の国だったのですから。

ところで、同じような地名のつけ方は日本でもあります。江戸えど時代までの日本では、いまの滋賀県しがけん地域ちいきを「近江おうみ」、静岡県しずおかけんの西半分の地域ちいきを「遠江とおとうみ」とんでいました。もっと古くは「近淡ちかつあはうみ」、「遠淡とおつあはうみ」とんだそうです。ヤマトのみやこから見て、「近くにある湖」、「遠くにある湖」という意味で、それぞれ琵琶びわ浜名はまなのことだと言われています。当時の日本の首都であった近畿きんき地方から見ると、確かに琵琶びわは近く、浜名湖は遠いですね。

東アジアの国々にとって太平洋との出入口にある日本

下の日本地図は、富山県がつくった「環日本海かんにほんかい諸国図しょこくず通称つうしょうさかさ地図)」です。わたしたちがふだん見慣みなれた、北が上になる日本地図を回転させて、南を上にした日本地図です。とてもユニークな地図ですね。

環日本海諸国図(通称:逆さ地図)

この地図をみると、東アジア地域ちいきでの日本の国土について、いろいろなことがわかります。

古代の日本は、朝鮮ちょうせん半島はんとうや中国から仏教などの進んだ文化が入ってきました。なるほど、朝鮮ちょうせん半島はんとうや中国から見ると、海の向こう側に島国があって、その島国のかたちはこの地図のように見えたのだと思います。いまでこそ太平洋側の方に大きな都市や大きな港がたくさんありますが、古代の日本では日本海側が外国とつながる玄関げんかんぐちだったのです。

こうして見ると、日本海は日本とユーラシア大陸に囲まれた大きな湖のようにも見えます。日本海側の都市は、東アジアの都市と姉妹都市の交流をしたり、ロシアや韓国かんこくの都市と定期ていき航路こうろ定期便ていきびんの飛行機で結ばれています。そのような友好関係が今でも続いている理由がよくわかりますね。

地図に港を書き入れてみました。ロシアのウラジオストク港、韓国かんこく釜山ぷさん港や仁川いんちょん港、中国の大連たーりえん港・天津てんちん港・青島ちんたお港・上海しゃんはい港・寧波にんぽー港などの重要な港から、東南アジアや北アメリカに向けて太平洋に出るためには、必ず日本付近の海峡かいきょうを通過しなければなりません。東アジアの国々にとって、日本列島は太平洋への出入口となっているのです

東アジア地域の重要な港

日本よりも大きい国、小さい国

さて、日本の国土の面積は、約37万8000平方kmでしたね。国土の面積をほかの国と比べてみましょう。

アジアの国々では、ベトナム、マレーシア、イラクなどの国が日本と同じくらいの大きさの国です。

ヨーロッパには日本よりも小さい国がたくさんあります。イギリスやイタリアなどは日本よりも小さい国です。ドイツ、ノルウェー、フィンランドが日本と同じくらいです。オランダやデンマーク、スイスは九州よりも少し大きいくらいです。

オランダやデンマークは九州よりも少し大きいくらいの国土しかなくとも立派りっぱな独立国です。オランダはサッカーが強い国ですし、江戸えど時代にはオランダ人が長崎までやってきて、日本と貿易ぼうえきしていました。また、デンマークは福祉ふくしが進んでいて子どもや高齢者こうれいしゃにやさしい国です。日本の各地方もこうした独立国に負けないようがんばってほしいと思います。

世界の主な国の大きさの比較

 

 

日本は世界で60番くらいに大きい国

日本は小さい島国だと思っている人も多いことでしょう。確かに世界地図を見ると、日本の近くには中国やロシアといった大きな国がありますし、世界地図の上で広い太平洋を東に行くとアメリカやカナダ、南へ行くとオーストラリアなど、大きな面積の国がありますから、日本はとても小さく見えてしまいます。

下の世界地図とグラフは世界の国土の広い国、トップ10です。日本とこれらの国々とを比べてみると、ロシアは日本の約45倍もあり、カナダやアメリカは約26倍、中国は23倍もあります。

また、世界の面積は1億3612万7000平方km、日本の国土面積は約37万8000平方kmですから、世界の面積のなかで日本のめる割合わりあいはたったの0.28%です。

世界の国の面積

世界には、200以上の独立国や独立していない地域ちいきなどがあります。この中で、日本の国土の面積は60位くらいです。なぜ、「60位」というはっきりとした言い方ではなく、「60位くらい」なのでしょうか。

● デンマーク王国は日本よりも大きい?小さい?

ヨーロッパにデンマーク王国という国があります。九州よりも少し大きいくらいの面積です。ところが、デンマークは、ヨーロッパからはなれた北極圏ほっきょくけんにあるグリーンランドという世界最大の島を領土りょうどとしています。グリーンランドは日本の5.7倍もの大きさです。グリーンランドでは、デンマークから遠くはなれているため、グリーンランドに住む人たちが自分たちの身近なことは自分たちで決めることができるように、グリーンランド政府せいふ議会ぎかいがあります。でも、住民はみなデンマークの国籍こくせきになっていて、グリーンランドは独立した国ではありません。

デンマークの面積を、ヨーロッパにある領土りょうどだけで計算すると日本よりも小さい国ですが、グリーンランドの大きさも含めて面積を計算すると日本よりも大きな国になります。このように計算方法によって少し順位がちがいます。

● アフリカに新しい独立国 「南スーダン共和国」が誕生たんじょう

世界第10位の面積をもち、アフリカ大陸で最大の面積の国、スーダン共和国ですが、2011年7月9日に南部の地域ちいきがスーダン共和国から独立して「南スーダン共和国」ができました。これによって、スーダン共和国の面積は約250万平方kmから188万1000平方kmに小さくなります。そして、独立する南スーダン共和国の大きさは、約60万平方kmと日本の約1.6倍の大きさです。日本政府は、「南スーダン共和国」を独立国として認めました。近々、日本の国土の大きさが60位から61位に変更へんこうになることでしょう。

¶豆知識 - 海外にも領土りょうどを持っている国はデンマークだけではない
 

海外の遠く離れた場所に領土りょうどをもっているのはデンマークだけではありません。イギリスやフランスなどは、世界各地に海外領土りょうどを持っています。世界地図で太平洋や大西洋の島々を見てみましょう。きっと、イギリス領、フランス領などと書いてある島々が見つかります。これは、14世紀から16世紀(日本では鎌倉かまくら時代の終わりから戦国時代のころ)のヨーロッパでは航海こうかい技術が大きく発展はってんしたことにより、ヨーロッパの国々は競って大西洋を航海してアメリカ大陸へ、またアフリカ大陸を回ってインド洋へ、そしてアジア、太平洋へと、貿易ぼうえき相手を見つけに出かけていきました。そのときに発見した島々を自分の国の領土としていったものが、いまでも残っているのです。

本州は世界第7位の大きい島

地理学という学問では、オーストラリア大陸以上の面積を持つ陸地を「大陸」といい、それ未満の面積のものは「島」に分類ぶんるいされます。

世界で一番大きな島は、デンマーク領のグリーンランドです。面積は日本の国土の5.7倍あります。日本の本州も島としては実は世界第7位の大きさです。ユーラシア大陸があまりに大きいので、世界第7位の島と言われてもピンときませんが、意外と大きいのですね。

世界の大きな島

いろいろな形をしている世界の国々

日本の弓なりの国土の形は、日本人ならだれでも思いかべることができることでしょう。では、他の国はどうでしょうか。世界地図をよく見てください。縦長たてながの国、四角形に近いかたちの国、丸まるとした国など、いろいろな形をした国があります。

地図から国の形を切り出して、日本と同じ縮尺しゅくしゃくでならべてみると、東西・南北にそれぞれ3000km長い日本の形の特徴とくちょうがよくわかります。

イギリスは底辺500kmの三角形、フランスは東西南北約750kmの正方形のような形をしています。日本人が日本の国の形を「弓なり」とたとえて言うように、フランス人は自分の国を六角形の形をしていると言うそうです。ドイツは東西500km、南北700kmの少し縦長たてながの長方形といった感じになっていますね。

日本と同じ縮尺で並べたときの国の形の比較

日本の国土の広がりをヨーロッパ、アメリカ、中国と比べてみよう

ヨーロッパ、アメリカ、中国の地図の上で日本の形を動かして、日本の国土の広がりや日本の形の特徴とくちょうを確かめてみましょう。

●日本を動かしてヨーロッパの大きさと比べてみよう