12月11日は、レオン・ライの41歳の誕生日。

思い出したら胸が苦しくなった。

昔好きだった人。

彼の出演映画「甜蜜蜜(ラブソング)」 を映画館で3回観たことを。

東京、大阪、そして神戸でも見た。

勿論、DVDも購入しており、何度も見た。


私にとって、この映画「甜蜜蜜」は、特別。

夏に「寒くなれる映画ベスト3」をご紹介したが、これは「胸が苦しくなる程泣ける映画ベスト3」に余裕で入る映画だ。


世に「泣ける映画」なんて、幾らでもある。

あたしは、かなり涙もろい方だから。

2時間ドラマのサスペンスでも、ハリウッドのアクション物でもグッときちゃう軟弱者。

だから、自分の「泣ける映画」なんて、信用できるもんじゃないと知っている。


でも、この映画は「泣ける」だけじゃなく、「胸が苦しくなる」映画。

だから、信用して下さいにひひ


ということで、本日は映画「甜蜜蜜」を紹介します。

映画「甜蜜蜜」は、大陸から香港に出稼ぎに来た二人の中国人男女の出会いと再会を10年の歳月を掛けて、テレサ・テンの歌、香港返還という時代と共に丁寧に撮ったピーター・チャン監督の名作ラブストーリー。


この映画の中で、レオン・ライは、田舎から出てきた純情で、擦れていない青年を演じている。

公開当時、香港映画界の各賞を総なめにした名作でありながらも、最優秀主演男優賞のみ取れなかったという曰く付きの映画でもある。評価はされなかったけど、映画の中で、あんなにも簡単に女性を裏切ることが出来る罪な青年を「好青年」だと感じるのは、彼ならではの力だとも思う。

勿論、共演女優マギー・チャンの名演があったから、彼の泥臭い青年の演技が活きたのだろうけどね。


あらすじは、こんなん。

レオン・ライ演じる中国人男性は、婚約者との結婚を夢見て出稼ぎに来た香港で、世慣れた感じの女性(マギー・チャン)と出会う。二人は、寂しさを埋めあう様に惹かれあうが、やがて、建前で誤魔化した二人の関係は破綻することになり、レオン・ライは婚約者を呼び寄せ香港で結婚をし、マギー・チャンは実業家として成功を収める。しかし、やがて二人は、再び自分の気持ちに歯止めが掛からなくなり・・・・・・


当時の世相を反映しながら、香港とアメリカを舞台に丁寧に撮影されており、効果的にテレサ・テンの歌が使われるシーンがあり、物語の伏線ともなっている。

この二人の男女の心の擦れ違いが、とても胸に痛い。

各所に笑いを散りばめているところも心憎い演出。

主人公二人を香港の歴史を追いながら成長させているところが、かなり上手い。

甘ったるいラブストーリーにせずに、再生を意識しているところが好き。

ベタなカメラワークと思わせながらも、イチイチ印象に残っているところが、実はスゴイ。


最後の方の再会シーンは、一見ありきたり風に見える。

お互い成長した二人の出会いである。

でも、私には、男性の成長度と女性の成熟度の差が見え隠れしているように思えてならない。

やるなあ、監督。


勿論、本当の最後のシーンは、「女性の好みを知り尽くしているなあ」と言う終わらせ方。

伏線がタップリあるので、最後の最後まで気が抜けず、楽しめる映画。

なのに、人の気持ちを時代と共に丁寧に撮っているので、只のラブストーリーに終わっていない。

テレサ・テンの歌が効果的に使われているため、彼女の歌を普通にCDで聴くよりも数倍良さが増します。


しかし、何と言っても、特筆すべきは、マギー・チャンの演技だろう。

女性の痛みを余すところなく出している。

男の身勝手を強く受け止め、時には流しながらも、彼女の全身から放たれる「悲しみ光線」。

でも、この「悲しみ光線」って、きっと男には見えんのだろうなあ。


正直、「もう、ええんちゃう」って、言いたくなる。

なんで、そんなに駄目駄目男を捨てられないんだろう。

決して尽くすタイプの女性として生きている訳じゃない。

だから、彼女の一生懸命さが男の身勝手さに振り回されているところが、痛い。

男が、自分の身勝手さに気付いていないところが、これまた罪作り。


それでも、夢に向かって生きているマギーチャンは、映画の中で、確かに成長・成熟した女性となっていた。

彼女の姿が、10年は、決して無駄ではないと思わせてくれた。



「甜蜜蜜」は、どういう人にお勧めしたら良い映画かと言うと、正直、何とでも言える。


だから、今日は敢えて言い切ってしまおう。

「過去は、明るい未来へ続いていると信じたい人にお勧めする映画」である!