21g
ショーン・ペン
ナオミ・ワッツ
ベニシオ・デル・トロ
交通事故で夫と娘を亡くした母親クリスティーナ、その事故を起こした男ジャック、死んだ夫の心臓を移植され、死の淵から蘇った男ポール…
彼らが出会った時に起こることとは?
人間が死ぬと失うという21gの重みとは?
主要キャストの全員がアカデミー賞にからむ、熾烈な演技合戦が最大の見所のこの作品。
扱うテーマの重さもあって、実際見ていてとてもしんどい一本でした。
喪失、困惑、絶望、死ぬということ。
普段生活しているときに、いちいち考えてたら前に進めなくなちゃうような命題で、出来ればあんまり考えたくないことばっかり。
それを演じる主要キャストの三人が、鬼気迫る競演を見せ、ますます落ち込むこと請け合いでございます…
まあ、このテーマを軽く演られちゃかなわないけどさー…しかしもうぐったりです…
21gって、軽いけど重い。
デル・トロはやっぱし巧いなあ、とか、最初はそれで良かったんですが、お話が進むにつれて深刻になっていき、最後はデル・トロはやっぱし髪多いなあ、とか、そんなん考えんと見てられんくなってきてみたりして、本当、私はふがいない。
こんなの演って、日常生活に支障をきたすのではないだろうか…なんて余計な心配。
それを受けるナオミ・ワッツやペンも負けない熱演ぶりで、息抜き出来る瞬間が一瞬もなく、窒息しそうになってしまう。
三者三様、壊れそうな弱さを抱え、ぶつかって、粉々に砕け散る。
見始めた最初から、それを予感させるような不安定さ、脆弱さ。危うくて、怖い。
だけど、編集っていうかはちょっと問題かもしれないな、と言ったらエラそうかなあ…
構成として、シーンを細切れにして、バラバラに再構成してあって、時系列にそっていないつくりになっているのですが、それがどうもなあ…と言ったらエラそうかなあ…
折角すげえ演技してるんで、それをきちんと通して見たいなあって思うんですが、それがブツブツ細切れでもったいなくないですか?限りある資源は大事にしないと。
物語は複雑ではないけれど、十分鑑賞に堪える演技だと思うので、色々小細工せんと直球勝負で来て欲しかったです。
勝負どころで変化球ならまだしも、鳩出て来たよーマウンドで手品はねえべ?って感じなんですよね。
150キロのストレート投げられるんだから、それ投げろよ、と。
見ていてちょっと歯がゆいですね…
とは言え、これくらいしてくれないと重くて見られないかな、とも思うんです。
何しろ2時間食うか食われるかの、演技の真剣勝負が重いテーマで続くのです。でもあえて、それをちゃんと見届けたかった。
実際の生活では重くて向き合えないテーマだから、せめて映画で。
失うこと、奪うこと、与えること、生きること、それをたった21gという重さに集約させたのはすごいと思う。
逆に言えばどう秤に乗せても計れないものたちに重さを与えたことで、確かにはっきりと存在すると描いて見せたことはすごいと思う。
21gはとても重い。
体感重量は21tくらいありそうだ。
ひたすら疲れた。
