亡国のイージス | 俺様シネマ

亡国のイージス

真田広之
中井貴一
寺尾聡
佐藤浩一
岸辺一徳ほか。
福井晴敏原作
ある防大生が自身のサイトに論文「亡国の盾」をアップ、程なく謎の事故死を遂げる。
その事件をきっかけに、某国の特殊工作員がアメリカ軍が極秘に開発した、化学兵器「GUTOH」を奪い逃走、自衛隊所属のイージス艦「いそかぜ」に潜り込んだ。
さらに、それを利用したテロを計画。
それを阻止するために「いそかぜ」に潜伏したのは自衛隊諜報部…通称DAISEの工作員だった。
それぞれの正体が分からないまま、国家を揺るがすその渦中に放り込まれた「いそかぜ」先任伍長仙石は、艦を、日本を護ることが出来るのか?

原作にものすごく思い入れがある作品は、なるべく二次作品みたいなものは見ないようにしている。
矢張り自分のイメージを大事にしたいし、解釈であるとか、映画を作る人と自分の萌えツボのようなものが同じ人間など、滅多にいるわけがないのだから。
それでなくても、仙石=真田広之はカッコ良過ぎ!!
絶対この作品の監督さんと私は、全く違う解釈をこの作品にしている。
…でも無料券もらったんで。そら見るでしょ?みたいな?

んで、見て思ったことには、矢張り仙石=真田広之はカッコ良過ぎ!!!
仙石はあんなかっちょいいナイスミドルであってはいけない。あんなキレのあるアクションをしてはならない。もっとこう無骨で不器用で、頑固一徹をカタチにしたような男でなくてはならない。
普通のおっさんなのに、誤解したことを謝ることなく置き去りにしたことを悔やみ、絶対部下を見捨てないとか、それだけで死地に帰ってきちゃうような、そういう、なんとも言えない無鉄砲な不器用さが泣かすのだ。
後先考えずに戻って来て、実戦なんて拙くて、それでも戦うカッコ悪いからこそのカッコ良さは、芸達者な真田広之だからこそ演じられない。
真田広之では、矢張り登場人物の中で一番強そうなので、サラっと戻ってしまうことに意外性がないではありませんか。
格段にアクションにキレがあってしまうので、ちょっとしたところで一生懸命カッコ悪く演技してるっぽくて、それはかなり可愛かった(間違った感想)けれど、折角真田広之なんだから、全開カッチョイイアクションを見たいですよね~

全体的に弱いです、エラそうですけど。
もともとかなり量の多い原作なので、全部詰め込むのは無理でしょうから、エピソードやキャラクターをもっと絞り込むべきだったと思うのです。
前半部分の工作員は誰か、という部分の緊迫感はもっと残してもらいたかったし、ミステリアスな如月はもっと深く掘り下げるべき。
筆はシャッターの降りた文具屋を叩き起こして買うべきだし、後輩に慕われてどぎまぎしたりするべきなのだ。
人物描写が物足りないので、どうも物語の中に入っていけないのが残念だ。
人物の深みが足りないから、この作品のキモである「見ろ日本人、これが戦争だ。」のフレーズが生きてない。この台詞の主がいかに戦場を見て、戦って来たかという描写があっての台詞だからだ。
台詞をなぞるだけじゃアカンのよ!!今までの人生があっての言葉なんだから!!
全体的にそういう部分が多くて、ハプーン発射シーンのカッコ良さだけでは追いつかないんよ。

正直、映画化は無理だったのではないだろうかと思う。
折角の豪華キャストも生きてない。
拙くはないと思うのだけど、ひたすらこれが、あれが、それが、どれが、と文句を言う場所を見つけ出して文句を言わずにいられない。
本当、原作オタクはうるさいですよね…
お好きな方ごめんなさい。別物だとは思うけれど、別物には思えなかった…