歌え!ジョニス・ジョプリンのように | 俺様シネマ

歌え!ジョニス・ジョプリンのように


保険会社に勤めるパブロは、ちょっと魔が刺して、依頼人のお金をチョロまかし、それを誤魔化すために急遽50万フランが必要になる。
そんな時、ちょっと…かなりエキセントリックなイトコのレオンに、莫大な遺産が転がりこんだことを知り、彼から50万フランふんだくろうと画策。
レオンは熱烈なジョン・レノンとジャニス・ジョプリンのファンで、既にこの世にいない二人との再会を待っていると知り、妻のブリジットと売れない俳優をジャニス・ジョプリンとジョン・レノンに化けさせ、なんとか金をせしめようとする。
最初は嫌嫌だったブリジットだが、だんだんのめり込んで行く。

ジョニス・ジョプリンがすきだ。
彼女が生きていた時のことは全然知らないのだけど、彼女は1970年代初頭のアイコンだと思う。
ついでに、ロックも英語も全然分からないのだけど、彼女の歌は、魂を削るようにして、全身から搾り出したような、そういう歌で、だから、絶対にBGMにはならない。きちんと正座して、静粛に、厳粛な気持ちで聴くべきである。(ヘッドバンキングは可…正座してヘッドバンキングはクレイジー過ぎるだろうか)
そんなワケで、この作品は見ないではいられないのだ。
歌え!ジャニス・ジョプリンのようにと言われてても、歌えるわけないワケではあるが。

とにかく、ブリジットが素敵でした。
地味で内気な、日々を退屈で無意味だと思い込んで暮らしていたのだけど、だんだん弾けていく様が、大変に気持ちがいい上に、何より、カッコいいのでございます。
髪のファーも、大きなサングラスも、なんて言うのか分からない帽子も。
バンドを引き連れて、マイクの前に颯爽と立つと、素直にカッコ良くて、早く歌え!歌ってくれーーー!と思う。
中々歌って見せてくれないところがミソですよね。
クライマックスで歌う彼女は、本当にカッコいいですよ~!
そして何より、この作品を作った人たちは、本当に心からジャニス・ジョプリンが好きなんだなあって、それが分かって、それが何より素敵だと思った。
こんな風に、リスペクト出来るなんて、なんてロックなんだろう。
こんな風に、リスペクトされるなんて、なんてロックなんだろう。
私は聴くだけで精一杯…「CHEAP THRILLS」いいよねえ。

んでもって、恐らく、この作品の監督なり、脚本なりをやった人の分身がレオンなんだろうな、と思う。
目の前で歌ってくれるなら、それが幽霊だろうと構うものか。
そして、結果的にレオンは、再びジョン・レノンとジャニス・ジョプリンを連れてきてしまったワケだ。
マテリアルではなくて、スピリチュアルな意味で。
んでもって、実はレオンって、分かってたんじゃないか?とか思ってもみたりする。
パブロ辺りはレオンの手の平の上で、くるくる踊らされていたのではないか?
だけど、きっと、パブロは踊ってよかったと思っている筈だ。
レオンの手の平の上で、伴奏はブリジットのジャニス・ジョプリンなんだから、踊らにゃソン、ソンなのだ。