俺テンケル。よろしく 名前はテンケル。出身はサブ島。クリスチャン。兄がいてアチェで独立軍とジャングルで戦っている。私の歌の先生でもある。現在オフィスにセキュリティーを兼ねて住み込みで働いている。こないだテンケルからIKATをもらった。ティモール方面のIKATは大好きだ。テンケル「ボス。IKATの御土産。」私「ありがとう。テンケル。でもこのイカットホテルの名前入りだけどかっぱらってきたの?」IKATには「クリスタルホテル」と刺繍が入っていた。彼の経歴は実におもしろい。ティモールのクパンでは刑務所に7回入ったらしい。バリでは3回くらい入ったと言っていた。数年前は爆弾テロの現場・サリクラブでセキュリティーとして働いていた。運良く死なずにすんだ。サリクラブ時代は週に3回の割り合いでオージーファイターと喧嘩をしていた。オーストラリア女性ともよく宿泊先で一夜を共にしたらしい。ある日オージーガールに誘われサリクラブからホテルへ。彼女もその夜はご満悦だったらしい。テンケルは朝はホテルから帰らなければならない。彼らはお金の持ち合わせはない。帰りのタクシー代金を20000RP(日本円約230円)ほどオージーガールからもらおうとテンケルは言った。「タクシーで帰るから20000RPちょうだい」オージーガール「Im not bank」。それからテンケルは「thank you,no problem!」。約2時間かけて歩いて帰った。おそるべし、オージーガール。次の夜もサリクラブへ彼女は来た。「何で怒ってるの?」と。テンケルは彼女とグラスを交わすことはなかった。彼は今27歳。もう昔のようなマフィアのようなことはやめた。毎日ゆっくり眠って過ごしたいそうだ。日本人の女性と結婚したいそうだ。今、日本語学校に週5日通っている。