有馬記念スタート直前、中山競馬場には雪が舞った。
何ともドラマティック。
ブエナビスタは珍しく先行したが、直線伸びず、7着に終わった。
国内で初めて掲示板を外した。
最後の直線には、これまで見たことがないブエナがいた。
ブエナは賢いからこれが最後だとわかっていたのだろうか。
次の自分の役目は子供を産み落とすこと。
だからもう無理はできないと。
レースに向けて、自分で体を作ると言われたブエナビスタだから、もう先のことまで考えといたんだろうか。
だとしたら本当に賢い馬だ。
最終レース終了後、ブエナビスタの引退式が執り行われた。
ブエナビスタの目は輝いていた。
カメラのフラッシュによるものか、涙なのか。
関係者のインタビュー等を終え、最後に記念撮影。
止んでいた雪が再び空から落ちてきた。
馬場内にあるビジョンにはブエナビスタのアップが映し出された。
それを見た瞬間、胸が熱くなった。
ブエナビスタの右目から涙がこぼれていた。
登場したときの目の輝きは涙だった。
自分を世話してくれ、いつも一緒にいた人達に囲まれて、抑えきれなくなったんだろう。
馬について語るときは大抵、強い弱いの話になるのだが、ブエナビスタは別だ。
賢くて偉い馬だ。
なんて感傷に浸っていると、ブエナの左側からのカメラの映像を見てまた驚いた。
左目は涙流してないじゃーん!
観客側の目だけ涙流すて、繁殖にまわらず、女優になった方がいい。
いやぁ、ホント賢い馬だ。
ダイワスカーレットが引退して、当分好きな馬は出来ないなとおもっていた。
ブエナビスタはスカーレットの2コ下。
もうデビューしていて、華々しく活躍していた。
ブエナビスタを好きになり始めたのは去年くらいだろうか。
スカーレットが引退して1年くらい経った頃だ。
次に好きな馬ができるのはいつになるかわからないが、そう簡単には作るつもりはない。
ブエナに失礼だからだ。
高校生の時の恋愛みたい。
でもホントに好きだったならそういうもんだろう。