今までの「ぢぇにぃの経歴」シリーズはこちら
人格交代の割合が少しずつ減って(息子談)
地上生活の割合が
少しずつ増えていった
そして、もともと回遊魚系の母は
父がいなくなってからの
どうにもならない寂しさを埋めていたんだろう
止まったら死んでしまう勢いで動く
やらなくてもいい仕事を、自ら増やす
市のシルバーセンターの仕事をしていて
張り切りすぎで問題が起こったのか
実際に規約の問題なのかは知らないけど
契約の更新ができなくなり
そこを機に
母の様子がおかしくなっていった
親戚、昔からの知人
いろんな人に相談してみたけど
誰も、そんな事ないという
あたしが先入観で母を見てると
生活費も入れずにそんな事を言うのは
親不孝極まりないと
そういえばここしばらく
母は「生活費を入れろ」とうるさくなった
元夫からの養育費の一部と
母子手当の全額を
通帳ごと渡していたのにも拘らずだ
他人に事実を曲げてまで
あたしの悪口を言っていたのは
本当にショックだった
日に日に、母の不可解な行動は増えていく
外面は温厚売りなはずなのに
突然激昂したり
元々方向音痴ではあるけど
道に迷う率が増えたり
その挙句、自転車で転んで
血まみれになって帰ってきたり
息子の教材を捨ててしまったり
そして、あたしの悪口はどんどん酷くなる
自分の姉一家がお金に困っているのを
わが家に持ち込んで
わが家がどんどん殺伐としていく
さすがの息子もおかしいと言い出して
母のかかりつけ医に相談に行ったら
温厚なその先生は話を聞いてくれて
専門外来の紹介状と
そこへ連れていく際の根回しやアドバイスをくれた
「しょせん他人にはわからないです
家族だから気づけるんですよ」
の言葉とともに
母の認知症の診断がおりた
これから少しずつ
彼女の記憶は壊れていくのだそうだ
認知症によるトラブルは
日に日に酷くなる
この辺の話は
そういえば、母のことで書いてるから
ここでは、これ以上は割愛
母を入院させる少し前に
交通事故に巻き込まれて
身体はボロボロ
そして先の不安と、母を捨てた罪悪感
色んなものに押しつぶされながらも
息子は高校に入学して
親子2人きりの
新しい生活が始まった
交通事故は
もしかしたらラッキーだったのかもしれない
そのおかげで仕事を辞めていたし
遊びに行ける状態ではなかったし
とにかく
息子を毎朝送り出すのと
家の事をするのが精一杯だった
ここでかなり
アンダーグラウンドな世界から
距離を置けるようになる
続きます
長いシリーズ化したな