以下、長い文章ですが、

どうか、しばらくの間、我慢して、お付き合いください。

 

 

 

 

 


ライター:紹介
三橋 ゆか里氏
 


by 三橋ゆかり
2017年8月8日
直接的な英訳はありませんが、生きることの幸せを体現した言葉です。三橋ゆかりさんが解説します。


Ikigai: The Japanese secret to living a long and more fulfilling life
いきがい。より充実した人生を送るための日本の秘訣



大都市で働く日本人の1日は、
「寿司詰め」と呼ばれる状態から始まります。
これは、満員電車の車内に押し込められた通勤者を、
寿司の中にぎっしりと詰まった米粒に例えた言葉です。

ストレスはそれだけではありません。
この国の有名な労働文化では、ほとんどの人が
厳しい上下関係に支配されたオフィスで長時間労働を強いられています。
過労死も珍しくなく、平日の深夜の終電はスーツ姿の人でいっぱいになる。
どうやって管理しているのか?

その秘密は、日本人が「生きがい」と呼ぶものにあるのかもしれない。
英語での直訳はありませんが、
「生きることの幸せ」を体現した言葉です。
「生きがい」とは、朝起きる理由です。

「生きがい」の概念に詳しい欧米人にとっては、
「生きがい」とは、

「自分の好きなこと」
「自分の得意なこと」
「世の中が必要としていること」
「自分がお金をもらえること」

という4つの性質が重なり合ったベン図のようなものだと思われています。


しかし、日本人の場合、考え方は少し違います。
イキガイは収入とは関係ないかもしれません。
実際、セントラルリサーチサービスが2010年に
日本の男女2,000人を対象に行った調査では、
「仕事」を自分の「イキガイ」と考えている人は31%しかいませんでした。
誰かの人生の価値は、仕事かもしれませんが、それだけではありません。


よく見ると

東洋英和女学院大学准教授で臨床心理士の長谷川章浩氏は、
2001年に発表した「生きがい」に関する研究論文の中で、
「生きがい」という言葉を日本語の日常的な言葉として位置づけている。
この言葉は、「命」を意味する「いき」と、
「価値」を意味する「がい」という2つの言葉から成り立っています。

長谷川氏によれば、「生きがい」という言葉の起源は平安時代に遡るという。
「貝は非常に価値のあるものとされていたので、
そこから生きがいという言葉が生まれました。

貝を使った言葉には、他にも「やりがい」や「働きがい」などがあります。
生きがい」とは、このような人生の価値観を包括的に捉えた概念であると考えられます。

日本には「生きがい」をテーマにした本がたくさんありますが、
中でも決定版と言われている本があります。
1966年に出版された『生きがいについて』である。

この本の著者である精神科医の神谷美恵子さんは、
「生きがい」という言葉は「幸せ」に似ているが、
微妙にニュアンスが違うと説明しています。
生きがいとは、たとえ今が惨めであっても、
未来に向かって前を向くことができるものです。

長谷川さんは、英語のライフという言葉には、
一生という意味と日常生活という意味があると指摘します。
そのため、「生きがい」と訳すと、とても壮大に聞こえます。
「しかし、日本には『一生』と『生活』という言葉があります。
また、長谷川さんの調査によると、
日本人は日常の小さな喜びの積み重ねが
人生をより豊かにすると考えていることがわかりました。

長寿のためのコンセプト?


厚生労働省によると、日本は女性が87歳、
男性が81歳という世界でも有数の長寿国です。
この「生きがい」という概念は、
長寿に貢献しているのでしょうか?

作家のダン・ビュートナー氏は、その可能性を信じています。
著書『Blue Zones: の著者であるダン・ベットナー氏は、
世界中を旅して、彼が「ブルーゾーン」と呼ぶ
世界各地の長寿社会を調査しています。

その一つが、百寿者の数が突出して多い離島、沖縄です。
長寿には独特の食生活が大きく影響していると思われますが、
ブエットナー氏は「生きがい」も一役買っていると言います。

「高齢者は祝福され、その知恵を若い世代に伝える義務があると感じます。
高齢者は祝福され、
自分の知恵を若い世代に伝えなければならないという義務感を持ち、
自分以外の生きがいを持ち、地域社会に貢献する。

ブエットナー氏によると、
「生きがい」の概念は沖縄県民だけのものではありません。
"言葉はないかもしれませんが、
サルデーニャ島やニコヤ半島などの
4つのブルーゾーンでは、
長生きしている人々の間に同じような概念が存在しています。"

ブエットナーは、自分の価値観、好きなこと、
得意なことの3つのリストを作ることを提案しています。
その3つのリストの断面が「自分のイキガイ」です。

しかし、自分の「いきがい」を知るだけでは不十分です。
簡単に言えば、「出口」が必要なのです。
生きがいとは、「目的を持って行動すること」なのだそうです。

92歳のトミ・メナカさんは、KBG84という舞踊団で仲間と一緒に
踊ったり歌ったりすることが自分の「生きがい」だと
毎日新聞に語っています。
また、仕事そのものが生きがいという人もいます。


アクションを起こす

東京のオフィスビルを後にする若いサラリーマンたち
チームの価値が個人の価値を上回る文化の中で、
日本の労働者は、人の役に立つこと、感謝されること、
同僚から尊敬されることを原動力としている」と、
人事コンサルティング会社「人材研究所」CEOの曽和利光さんは言います。

エグゼクティブ人材紹介会社Probity Global Searchの高遠祐子氏は、
仕事を生きがいとする優秀な人材と日々接しているが、
高遠氏によると、彼らにはやる気があり、
行動が早いという共通点があるという。

「起業したいけど、未知の世界に飛び込むのは怖いという人は、
自分が考えていることと同じようなことをすでにやっている人を見に行くといいですよ」。
自分の計画が実際に行われているのを見ることで、
「自分にもできる」という自信を持つことができるのだと高遠は言う。

小さく考える

日本では、社員の4分の1が月に80時間以上の残業をしており、
年間2,000人以上の人が過労死するという悲惨な結果が出ています。

生きがいとは、自分の仕事が人々の生活に貢献していると感じることです。

人がどのように仕事に意味を見出すかは、
経営の専門家にとって関心の高いテーマです。
ウォートン大学経営学部のアダム・グラント教授の研究論文によると、
社員のモチベーションは「他人の幸福に影響を与える仕事をすること」と
「自分の仕事によって影響を受ける人々を見たり、
会ったりすること」だと説明されています。

ある実験では、ミシガン大学のコールドコール担当者が、
資金を集めようとしている奨学金の受給者と一緒に時間を過ごした場合、
ただ電話をかけているだけの担当者に比べて
171%も多くの資金を得ることができたそうです。
受給者に会うという単純な行為が、
募金者に意味を与え、彼らのパフォーマンスを高めたのです。

これは人生全般に言えることです。
世界の飢餓問題に取り組むのではなく、
地域のボランティアグループなど、
身近な人を助けることから始めてみてはいかがでしょうか。

生きがいを多様化する

仕事に生きがいを感じていた人にとって、
定年退職は大きな喪失感と空虚感をもたらします。
特に、キャリアの短いアスリートの場合は、その傾向が強いと言えます。

2012年に引退したハードル走のチャンピオン、
為末大さんは、最近のインタビューで、引退後の根本的な問いかけとして、
「自分がやりたいことは何だったのか?"
自分がスポーツをすることで何を達成したかったのか?"

"私にとって、陸上競技をすることで実現したかったことは、
人々の認識を変えることでした"。
引退後は、スポーツ関連のビジネスをサポートする会社を立ち上げました。

為末さんの話は、「生きがい」の柔和な性質とその応用を示しています。
退職時には、給与明細だけではなく、
自分が何のために仕事をしているのかを明確に理解することが大切です。

この考え方を意識することで、より充実した人生を送ることができるかもしれません。


(ここまで)


私は66歳。
定年後の再雇用制度は、おおよその企業が65歳まで。
その後は、一応社会からは、さようなら。
後は、年金で、好きなように、慎ましく暮らしてください。
という筋書き。

そろそろアルバイトを探そうかというので
求人サイトを眺めていたのですが、
ふと、この記事のことを思い出しました。

そして、改めて読み直しました。
読んだ感想? ですか。
そりゃ、何だか、ほろ苦い味がしました。


さて、今回の動画です。

沖縄のおばあアイドル「KBG84」