私がまだ高校生だった頃に買った、ロック・ギタリストの
インタビュー集の本から紹介させていただきます。

題して「初期のエルヴィス・プレスリーを支えたギタリスト、記憶に残る言葉。」
だいたいにおいて、ギタリストのインタビューは使用楽器や奏法や
自らの音楽的背景に語った話が殆どです。

でも、スコッティ・ムーアのインタビューは今も私の記憶に
残っています。では、紹介を・・・

スコッティ・ムーア 1931年生まれ

彼はエルヴィスのデビュー、
1954年から1958年までリード・ギタリストとして活躍。


問い:ロックがまだ生まれていなかったあの時代に、あなたは自分
自身の考えでリード・ギターを弾いていたのですか?

スコッティ:そうです。あのリードはすべて私の「発明」によるものです。
   「発明」という言葉を使ってもいいとしての話ですが。


問い:ジャズは弾きますか?

スコッティ:いいえ弾きません。とても好きなので、弾いてみたいとは
   思うんですけどね。とっても残念なことなんですが、あの当時、
   もの覚えが一番よくて、何でも自分流に身につけていたあのころ、
   私たちはギターの定例みやいなものに縛りつけられていたのです。
   だから、スタジオに入ってレコーディングする以外は、
   毎日毎日毎日決りきったことばかり練習していたわけです、それ
   に、800マイルもの長旅に出る時なんかは、もう旅疲れでウンザリ
   してしまって、リハーサルをしたる、ジャムったり、新しい
   曲をやってみようなんて気はまるで起こらなかったのです。そんな
   わけで、私はここずっと、何か大切なものを忘れてきたような、
   そんな気がしているのです。コマーシャルなプレイヤーでは
   なくて、本当にいいミュージシャンになるためのチャンスを私は
   逃してしまったんです。それがショウ・ビジネス(仕事)ですからね!

その他の質問にスコッティは、このように答えていました。

スコッティ:私は友人を2、3人集めて小さなレコード会社を作ったのです。
   素質のある人はみんな育ててあげたいと思っています。


私は思います。ミュージシャンに限らず仕事に追われて
日々を暮らしてきた人は、殆どの場合こうなのではないかと。
良い何かになりたいと思った場合であっても、そう思わなかった場合であっても。
あくせく動くのが仕事というものですよね。

音楽の世界でロックンロールのギター奏法を発明した開拓者
スコッティ・ムーアにしても、彼はこのように感じていたわけです。

ましてや、私のような凡人はもっと謙虚の考えるべきかと思わせられました。
何十年もプログラムを書いてきましたが、
いつも決まった様式の中で、プログラミングしてきたに過ぎませんから。

スコッティ・ムーアの如く、私達にもいつかは転換期を迎え
その後に、自分自身を見直し「真の意味で」自分には何ができるのでろうかと
考える日がやってくることでしょう。

それまでは、がんばりましょう!あくせく働く日々を!