あまりの悲しみは人から記憶を無くそうとします。

癌で逝去した神戸のヒーローこと庭村昌宏氏と
彼にとって最高でかつ最強のバンド、

ヒーローズは
あまりの悲しみに打ちのめされた人々にとっては忘れたい現実かもしれません。
それは、やはり身を守ろうとする人間の本能なのでしょう。

私が思うには、それでは彼らは救われなさすぎるように思います。

神戸の史上最強のバンド「ヒーロー&ヒーローズ」

末期癌が発見されたその時、医療関係者の反対を押し切って
敢行した 2011/12/7 でのチキンジョージでのライブ。
400人以上の観客を動員。


OpenSourceおじさんのヨモヤマ話-20111207dvd

観客席でヒーローの姿を見守る彼の愛する末娘のももちゃん。
そのももちゃんが最後にステージで
ヒーローの「来年のプレゼントは何がいい?」という問いかけに
「今日、今わかったことですけど・・・来年の今日
 もう一度、このメンバーでライブをやって欲しい」
ドラムの牧野さんのアナウンス「これから治療生活に入ります。」
今思うと、牧野さんのあの時のアナウンスは「必ず、ここに帰ってくるぞ」っていう
宣言だったのでしょうか。私にはそう思えます。

やんちゃに見えるヒーロー。
年が明けた 2012年6月頃は抗がん剤治療で目に余るほど身も心も
ボロボロになっていました。強がりばっかり言ってた奴も
本当は心細い思いをしていた筈でした。
そのことはメルマガ「ひいろー数珠繋ぎ」にそっと書かれていました。

九州の久留米でプチペドワクチンの治療に乗り換えて体力を回復したヒーロー。
癌治療、Live-barとそのほかの事業 神港工務店 経営、企画立案、営業、そして経理・月末の支払いなど等。
その合間に作品創り。
精力的に日々のスケジュールを遂行していました。ほんまに、よう仕事するひとやなぁ。

黙っていても時間は経過していきました。
Live-bar 神港工務店においても異常な緊張感で、
来るべき 2012/12/7 はどうなるか。客同士が喧々がくがくの論争してみたり。
方やヒーローは、血尿撒き散らし状態でチケット営業に奔走するありさま。
私が勤務する会社では若いデザイナーがそんなヒーローのことを知って
インターネットを駆使して 2012/12/7 チキンジョージ.ライブを呼びかけたり。
この時にヒーローは目には見えないが異常とも思える能力で
まわりの人々を自分の渦に巻き込んでいってました。


OpenSourceおじさんのヨモヤマ話-20121207

そしてついにやってきた「2012/12/7 チキンジョージ.ライブ」
キーボードの玉城さん、ギターに陽ちゃんを加えてパワーアップ、スケールアップした
怒涛の如き、横にひろがった分厚いサウンドを持って
その幕は切って下ろされた。

「ロックンロールで夜を明かそうぜ!」そしてヒーローの心からの叫び。
「帰ってきたぞー!」

公式キャパ500人の会場で500人以上の観客を動員しての大成功をおさめた
ヒーロー&ヒーローズ。

確か異常に寒かった夜を、これまた異常に熱い夜に変えてしまった
ヒーロー&ヒーローズ。

老いも若きも、健常者も車椅子の身体障害者も何かの望みを託して集まった。
ヒーロー&ヒーローズ。

ヒーローはこの日、こんな言葉を残しています。
神戸のヒーローなんて言ってますけど、
 私はヒーローなんかではありません。
 みなさん、いろんなお仕事されています。
 これをやっている時、自分は輝いているなぁ。
 そう感じた時。その時は、
 みなさんがヒーローです。
 がんばってください。


ヒーローは、人々に能動的な人生観。前向きな生き方を呼びかけていたのでした。

そして、2013/6/23 逝去。合掌。
普段はヒーローのことは忘れていても、毎年 12/7 は
ヒーロー&ヒーローズ。思い出してください。
そして、ヒーロー&ヒーローズのことを知らなかった人々に語り継いでください。
私からのお願いです。


OpenSourceおじさんのヨモヤマ話-20121207dvd