言うまでもないと思いますが、レコード会社があってさまざまなスタッフの力を動員して
商業ラインに乗せていく訳ですから、当然 それは音楽産業と呼ばれて然るべきだと思います。

でそれらの音楽は消費されていく運命にあるのも否めない事でしょう。
でも、これって消費されて時代から去っていくの?・・・って思ってしまう作品もあるようです。
それが Jimi Hendrix - Electric Ladyland (1968年)。

Track List
1. ... And The Gods Made Love - The Jimi Hendrix Experience
2. Have You Ever Been (To Electric Ladyland) - The Jimi Hendrix Experience
3. Crosstown traffic
4. Voodoo Chile
5. Little miss strange
6. Long hot summer night
7. Come on (let the good times roll)
8. Gypsy eyes
9. Burning of the midnight lamp
10. Rainy day dream away
11. 1983 (a merman I should turn to be)
12. Moon turn the tides...gently gently away
13. Still raining, still dreaming
14. House burning down
15. All along the watchtower
16. Voodoo Child (slight return)

ちょっと聞くと、トータルなコンセプトの感じられない(--散漫な印象は確かにありますが--)
1968年の頃を時代考証しながら聞くと非常に興味深いです。

アルバムの出だし、
1、... And The Gods Made Love(愛の神々)
  いきなりのサウンド・エフェクトの嵐。
  生前の Jimiが インタビューで語っていた記憶がありますが
  「人々が非難したがるものを最初に持ってきた・・・」と。
  
  当時の良識ある人々が眉をひそめるのが目に見えるようです。
  退廃の極み?

2、Have You Ever Been (To Electric Ladyland)
  歌詞はそんなに飛んだ風には感じないですが・・・

  Electric Ladylan に、行った事はあるかい?
  魔法の絨毯が君が乗り遅れないように待ってくれている。遅れるなよ。

  俺は君に見せたい。今までとは違った感情。
  俺は君に見せたい。今までとは違った音と動き。
  俺は君に見せたい・・・・

  とにかく音の表現がちょっと飛んでいる。
  夜明けの葉っぱに朝露がついている感じ。
  青、赤、黄などの原色が見えるような・・・原色に彩られた夜明けの景色でしょうか。
  でも燃えているような感覚は感じられないようです。

3、Crosstown traffic
  Mitch MitchellのDruums ヘビーなトーンでハード・ロック。
  ここでちょっとひと息。冷たい飲み物でもどうそ。乗りはいい。

4、Voodoo Chile

  Jefferson Airplain の ジャック・キャサディ(b)、Traffic のスティービー。ウィンウッド(org)
  ミッチ・ミッチェル(ds)、ジミ(guiter, vocal)による Blues Jam セッション。
  暗闇の中で、ギターとオルガンの非常に孤独感の漂う対話が延々と続く。

5、10. Rainy day dream away
  Jazzっぽく Sax と Guitar が絡む曲。
  ここでも雨が表現されていす。

6、1983 (a merman I should turn to be)
  ジミ・ミッチ・ノエルに Taffic の Chris Wood がフルートで参加。
  月の光の下で、海の波は押し寄せては引いていくような。
  静かな夜の海岸を思わせる。
  そんな景色を見せてくれる、

アルバムの印象をこのように表現しておきます、
音を通じて今まで見たことの無い景色を見せてくれます。
この作品は消費されまくって消えてなくなる事が想像しにくい。
時代から取り残されては消えていく・・・どころか
永遠に残り続けて輝き失うことが考えられない。
そんな作品ではないでしょうか。どうでしょう。