鹈鹂 夏によるPixabayからの画像

 

私の両親は、共に認知症を患って老後を過ごしています。
(父は既に亡くなりました。母は現在グループ・ホームに入居中)
私は両親は、決して幸せな人生とは言えないと思っています。
(施設で暮らすことが不幸という意味ではありません)

しかし、私の親戚に不思議な家族があります。
叔母なんですが、認知症(アルツハイマー)を発症して
もう何年に経ったのか。私は、そんなことも思い出せなくらい
叔母は長年認知症をわずらっています。
しかし、施設には入っていません。
現在も幸せに自宅で暮らしています。


家族は叔母の介護に付きっきりでしょうか?
いいえ、平日は仕事に出かけてフルタイムで働いています。
その間は叔母はひとりで家にいます。
天気の良い日は、庭の雑草を引いたりして
のんびり、自分の時間を楽しんでいます。

同じように認知症を発症したとしても、その後の生活は人それぞれです。
幸せに暮らせる人と、そうでない人の差は何なのでしょう?
私は、未だに答えを見いだせていません。


■ 研究者は、どのように研究し、どのように考えたか?

精神的な回復力:晩年の幸福の保護と促進の理解
国立医学図書館

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7743140/

私は、研究論文は非常に苦手です。
これも「ボケ防止」だと思って
わかる範囲で要点を拾うようにしています。

また、研究論文は絶対的な結論を持たないで、
研究結果から或る可能性を示唆するものであって
何か結論を期待すると、案外「ハズレ」だったりします。
科学とは言われていても、原則・原理以外は
研究段階ではトライ&エラーがあるものだと
私は思っています。

さて、「晩年の幸福の保護と促進の理解」では
どのような研究結果を報告しているのでしょうか?

私はわかった範囲で、まとめてみます。

1.64人の参加者(平均年齢74歳)を対象にインタビューを実施し、

  質的な grounded theory [1] アプローチを用いてデータを分析した。
2,参加者の46人は、精神性が困難を管理するための重要であると回答した。
3,研究結果はインタビューを通じて、参加者の精神性に対する認識を調査し、

  困難を克服するための精神性への依存を示しました。

そして、このようなことを研究結果として報告しています。
1,精神的な回復力は、高齢者が逆境を乗り越え、

  幸福を維持し、精神的に成長するための重要な要素である。
2,研究結果は、高齢者に対する支援や介入において、

  精神性を考慮することの重要性を示唆しています。

うーん。研究者の論文は、どうにもこうにも、

わかる人にしか理解できないように書かれているように思ってしまいます。

[1] grounded theory (グラウンデッド・セオリー・アプローチ)
患者へのインタビューや観察などを行い、得られた結果をまず文章化し、

特徴的な単語などをコード化しデータを作る手法の呼び名。



■ 認知症発症後に自己を取り戻して幸せな暮らしを実現した音楽家の例

1,イギリスのジャズ・ミュージシャンで退役軍人でもあった「エドワード・ハーディ」の例

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投稿日時    
日本標準時: 2016/05/20 (金) 20:00:50
協定世界時: 2016/05/20 (Fri) 11:00:50
タイトル  Reunited: A Short Film about Music and the Human Spirit
チャンネル名  Noisey
URL  https://youtu.be/Tp6c_oG1SBk
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ここで語られていることを、そのまま載せます。
誤訳があった場合は、ご容赦願います。

表題 - 再会:音楽と人間精神に関する短編映画

私の名前はサム・シセラです。
イギリスのサマセットに住んでいて、
6か月前に地元の高齢者向け住宅でアルバイトを始めました。
誰かの生活の質を向上させることができるかもしれないという考えが好きでした。
すぐにエドワード・ハーディという紳士に愛着が湧きました。
彼は93歳で、かなり重度の認知症を患っています。
私が到着したとき、彼の認知症は彼をうつ病の状態に陥らせ、
彼はもはやスタッフや訪問者とコミュニケーションをとっていませんでした。
彼は諦めてしまったようでした。
エドは助けを求めて床を叩き、多くの時間苦しんでいるようでした。
しかし、私が彼を助けに行き、
彼が叫んでいることさえ知らないことに気づいたとき、私は悲しくなりました。
彼は非常に混乱していて、家の誰もどうすればよいかわかりませんでした。

ある日、私がエドと話していて、
なぜ私がサマセットに住んでいるのか、そして私がその地域のバンドの一員であることを彼に話しました。
エドの顔が明るくなり、彼は何年もピアノを弾いていたと言いました。
私たちが両方ともミュージシャンであることに気づいたつながりが、
私たち二人の間にすぐに友情を芽生えさせたようでした。
彼がもはや音楽を演奏するという情熱を続けることができない状態にあるのは悲しいことだと感じました。

私はいくつかのクラシック音楽をダウンロードし、エドは再び音楽を聴いて幸せそうでした。
しかし、彼がレイ・チャールズの曲「Georgia on my mind」について言及するまで、
私は彼がジャズ音楽に強い繋がりと愛情を持っていることに気づきませんでした。

そこで、彼の甥に連絡してキーボードを買ってもらうように手配することを提案しました。
彼が演奏するのを見て、家のスタッフは圧倒され、彼の妻は記憶が蘇ってくるにつれて泣き始めました。

その週、彼の態度は一変したので、ある夜遅くに、ガムツリーに広告を掲載して、
ジャズミュージシャンがエドと一緒に演奏するために家に来てくれるかどうかを確認するというアイデアが浮かびました。
その反応は素晴らしく、1週間で90件以上の返信がありました。
国の反対側から来たいと思っている人や、ボランティアの検索で私たちに幸運を祈ってくれるさまざまな人がいました。

どういうわけか、エドの元のバンドメンバーがアピールを見て、エドがまだ音楽を演奏していることに気づき、
彼らが家に連絡を取ったとき、私たちは家の敷地内でギグを行うように手配しました。
エドは長年ぶりにバンドと再会できるという考えに興奮しているようでした。
これは彼にとって35年以上ぶりの実際のギグになる予定であり、
私たちが最初に彼に会ったとき、彼がこのようなことをするとは誰も想像できませんでした。

エドがバンドの残りのメンバーのピアノの前に座っていると、
私たちは皆、彼が人々の群衆に演奏してどのように反応するかを心配して息を呑みました。
彼が昔のバンド仲間と再会したときの彼の目の表情は言葉では言い表せず、
バンドが再び演奏し始めたとき、それが彼と彼の妻にもたらした幸福は、

私たちにとって本当に感動的な経験になりました。
音楽が脳と人間の精神を豊かにする力を実感しました。
それ以来、私たちは音楽を家やエドの日常生活にもっと取り入れるようになりました。
ここで雰囲気を変えましょう。

そして最も重要なことは、それが彼の人生を大きく変えたということです。

2,オーストラリアの著名なジャズ・ミュージシャン 「ドン・バロウズとジェームス・モリソン」の例

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投稿日時    
日本標準時: 2020/04/06 (月) 18:00:04
協定世界時: 2020/04/06 (Mon) 09:00:04
タイトル  Don Burrows and James Morrison: A friendship shaped by music | Australian Story
チャンネル名  ABC News In-depth
URL  https://youtu.be/50xs89UpiKs
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内容を紹介します。

ドン・バロウズとジェームズ・モリソン:音楽が育んだ友情 | オーストラリアン・ストーリー

モリソンが幼い頃にバロウズに出会い、
師事したことがきっかけで、二人の友情が始まりました。

バロウズはモリソンにとって音楽的な父親のような存在であり、
モリソンの才能を高く評価し、育成に尽力しました。

二人は長年にわたり音楽活動を共にし、深い友情を育みました。

バロウズは晩年、脳卒中と認知症を患い、
モリソン夫妻の介護を受けることになりました。

モリソンはバロウズの音楽的な記憶が失われていないことに気づき、
音楽を通じてバロウズの心を活性化させようとしました。

モリソン夫妻はバロウズを家族の一員として大切に扱い、彼の晩年を支えました。

モリソンはバロウズの遺志を継ぎ、
若い音楽家を育成するための音楽アカデミーを設立しました。

アカデミーにはバロウズの功績を称える記念室が設けられ、
モリソンはバロウズの教えを次世代に伝えています。

モリソンはバロウズから受けた恩を忘れず、
彼のように若い才能を育て、音楽界に貢献することを決意しています。

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投稿日時    
日本標準時: 2018/06/30 (土) 17:50:18
協定世界時: 2018/06/30 (Sat) 08:50:18
タイトル    Don Burrows, Julian Lee and James Morrison - After You've Gone
チャンネル名    James Morrison
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■ 「幸せな晩年」をどう考えるべきか

・若い間に「俺、これをやってる時は、何故か活き活きしてるなぁ」と思える「何か」を見つけておく。
 その何かは、他人に迷惑をかけなければ、決まったものは無い。

・老いた後、それを「あの時は良かった」と回想するのではなく
 自分が自分の時間を楽しめること。

・お喋り嫌いの偏屈者と勘違いされる場合もあり得るが、
 周囲の人は、「エドワード・ハーディ」の例にあるように
 ふさわしい協力者を見つける。

・老後〜介護だけではなく、
 ほんとうに必要なのは相手の心の声に耳を傾ける「傾聴であることを知る。

それが「その人が、その人らしく生きる」ことだと言える。
年老いても「生きる」だけではなく「活きる」ことを大切にするべき。

 

この記事を読んでくさっている皆様は、どのように思いましたか?


さて、今回の休憩タイムは
(認知症とは関係ありませんが)
いつまでも愛聴されるであろうジャズ・ピアノの演奏をどうぞ。

福居良 - It Could Happen To You

福居 良 北海道沙流郡平取町出身(1948年6月1日~2016年3月15日)


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