今回のフィリピンへの旅行で、随分昔のことを思い出していました。
まだ二十歳の頃の私、まだ学生でしたがサークルでビックバンドに入り、
カウントベイシーからフュージョン・ポップスと幅広く音楽活動を行っ
ていました。勉強もせずに…。←これまじでやばいくらい勉強しませんでした。
そんな時、五反田でナイトクラブのバンドでドラマーに空きが出たから君を
推薦しておいたよと、サークルの先輩から紹介されトコトコ五反田まで行き
ました。
そこはフィリピンバンドでバンドマスターは日本人でしたが、そんなスタイルで
構成されたダンスバンド兼カラオケバンドでした。
店の名前とか忘れましたが(現在は無いようです)大きなクラブでした。女性
がお客さんについて、一緒にダンスをしたり歌ったりと、いわゆる今のフィリピン
パブですかねぇ~。(笑)
で、我々はそのおやじ達のバックバンドを努めるわけです。
最初の夜(初ステージ)は、譜面と睨めっこしながら即本番です。開店前に打ち合
わせ程度のリハーサルが少しだけありましたけど…。
店内には酔った親父が女性とイチャイチャしながら踊ったり歌ったりしているんです。
酔ったおやじがこれからサブちゃん歌うから、演奏しろとか、軍歌を歌うから鼓笛隊
のドラムを叩けとか、まぁ~とにかくご注文を頂くのです。(笑)
今の私は、↑こちらサイドですけれど…。
そこには日本人女性とフィリピン女性もいて、楽屋では大変ことになっていま
した。まだ二十歳そこそこの私には理解不能でしたが、どうやら客の取り合い
みたいなことでケンカが耐えないおぞましい世界がそこにはありました。(笑)
そんなこんなでそこには半年ほどおじゃまして、次の後輩を推薦して辞退しま
した。というのもフィリピンのキーボード叔父さんが査証の関係で国に帰るこ
とになったからなんです。最後はなにもお礼ができないでお別れしたので心残
りでした。その時の私には、よく意味が飲み込めず、また会えるだろうくらい
に考えていましたから。
前回、紹介したフィリピンバンドの前座のバンドを見ていて思い出したいのが
この頃の時代というかフィリピン人のキーボードの叔父さんでした。
当時…いつもいつも私のドラムが五月蝿いとか?
もっと音を聞いて!耳は何処についてんの?
お前は頭の中で演奏している。
もっと相手の気持ちになって?
とか、
お前、ぜったい女を逝かせることができなだろうな…。
今日はよかったねぇ、凄く気持ちよかった。
彼女できたの??
譜面どおりに演奏するんじゃない、今の進行はアドリブだから回りの状況を読め…。
とか、日本語と英語と混じりながら鍛えてくれた、あの時のキーボードのフィリピン叔父さん
はどうしているかな????
今思うと、そのキーボードの叔父さんが口をすっぱくして伝えてくれたことは
十分に役立っていて、今でもドラムを叩く時の私のスタイルになっています。
そのフィリピンバンドを探しても、見つけられるわけじゃないけど、名前も覚えてない
あのフィリピンのキーボードの叔父さん。
今、どこで何をしているのかなぁ~。
フィリピンの最終前夜、一人でフィリピンバンドを見に探し回りました。どこでもいい
から音が鳴っているところに入りました。
いました。いやいやそのキーボード叔父さんじゃないけど、そんな雰囲気のするおやじ
連中がまだ頑張っているんですよ。
ケソンのフィリピンバンド![]() |
ここで演奏されている曲目が凄い。
私が聞いただけで、以下の曲が分りました。
1)マッカーサーパーク
2)ブラッド・スエット・アンド・ティアーズのスピンニングホイール
3)アレサ・フランクリン(曲目忘れました)
4)フォートップスの数々の曲
5)スティービー・ワンダー マイシェリー・アモール他、キーオブザライフ関連の曲
6)アリス・クラーク ←この人は私も大好きな黒人女性歌手です。
7)バリーホワイト ユー・アー・エブリシング
まだまだ、一杯曲がありましたが、二十歳の頃、五反田で自由な曲を演奏してよい時に
演奏していた曲があるではないですか。
正直、目にウルウルきました。なんだか非常に懐かしくて。
しかも上手い。コピーバンドはフィリピンは上手いです。
見た目は叔父さんですが、これが日本のおやじと違ってカッコよくケツを振るんです。
でで、なんと一般客が飛び入り参加で歌っちゃうんです。
この女性はお客ですよ。![]() |
曲はボサノバ系の曲で知りませんでしたが、いい感じの曲でした。
やっぱり奥が深い。バンドで歌を歌うのは難しいですよ。
よくカラオケで上手く歌えてもバンドとなると歌えない人が多いはずです。
フィリピンのこの女性…。堂々と歌手みたいな雰囲気で歌っています。
多分、以前、こいうことをされていた方なのでしょうけれど、でも凄い。
上手いんだもん。
すごくラッキーな最終日でした。でもまだまだ続くよフィリピンレポート (笑)

