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「その女、ジルバ」有間しのぶ(オリジナルBIG COMICS、小学館)


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「あれよ星屑」山田参助(BEAM COMICS、KADOKAWA)


もうだいぶ前になりますが、今年の6月6日に開催された第23回手塚治虫文化賞の贈呈式と記念イベントに行ってきました。毎年応募してるんですが、いつも抽選落ちしていました。今年は運よく当選することができました。今年の受賞作品、受賞者は下記です。

マンガ大賞:「その女、ジルバ」有馬しのぶ
新生賞:「あれよ星屑」山田参助
短編賞:「生理ちゃん」小山健
特別賞:さいとうたかお
さいとうたかお先生のご尊顔を拝することができてとてもうれしかったです。

遅まきながら、今回受賞した、 「その女、ジルバ」、「あれよ星屑」を最近読みました。
両方とも受賞前は、まったく知らなかった作品でしたが、贈呈式会場に置かれていた単行本をぱらぱら読ましてもらい少なからず興味を持ったので、じっくりと読もうと思ったのです。
私が興味を持った理由は、両作品とも、太平洋戦争が重要な要素となっているからです。
ネタバレになるので、内容を詳細には説明しませんが、登場するのは、
○戦中、戦後の時代のうねりに翻弄されたブラジル移民のジルバママ(その女、ジルバ)、
○戦後の焼け跡で戦争体験を引きずりながら心の放浪を続ける軍隊組織において最下層の部隊に所属していた元軍人逹(あれよ星屑)
で、戦争前は普通に生きてきた一般人達です。ただし、彼等の戦後の生きざまは必ずしも幸せではなさそうに見えます。戦争がなかったら、全く違う人生を生きたはずの人達です。

私はもちろん戦後に生まれていますが、親たちはまさに戦中を生きてきた世代なので、いろいろな機会に少なからず戦争中の事を聞かされて育ちました。そのせいもあってか、戦争に関わる話で特に一般人のエピソードにはとても惹かれてしまうようです。今回は両作品を読み、読後には、さびしいような、かなしいような、少しなつかしいような、なんとも言えない感情が沸き起こって来るのを感じました。最近読んだマンガ作品では、一番私の心に刺さりました。贈呈式に行かなかったら、たぶん一生読まなかった作品逹でしたね。。

この章は、時折、書き足します。