昔のカセットテープが経年劣化でダメになる前に、カセットテープを直接USBに保存できる小型のステレオで大切にしたい音源をせっせとUSB録音でデジタル化しています。このようなステレオは、あまり無くて、ようやく探し求めました。今の若者にはカセットテープ自体を見たことがない人も多いようで、カセットテープを再生するための機器のニーズが少ないのでしょう。また、今でもカセットテープで音楽などを聞いている人はアナログ人間がほとんどなので、あえてデジタル化しようという人も少ないのでしょうね。
 
このUSB録音ではカセットテープの高速ダビングなどはできません。このため、延々と昔の音源を聞きながら作業をすることになりますが、いずれも、本当に久しぶりに聞くものばかりなので結構面白いです。
 
この間は、学生の頃やっていたバンドの演奏を久々に聴きました。大学の学園祭でライブ喫茶をやった時や、生意気にもコンサートなどという大それた事をやった時の録音テープが6本ほど見つかったのです。実はこのテープはいわゆるお蔵入りにして二度と聴くつもりがなかったものなんです。その理由は、とても稚拙な演奏なので聴くだけでも恥ずかしかったからです。なんといっても、一曲演奏する度に客が半減していくという地獄を味わったことがあるくらいでしたから。。。そしたら、昔のカセットテープを整理した際に、たまたま出てきんです。
 
さて、ウン10年ぶりにあの頃の演奏を聞いてみました。確かにあまりうまくありませんが、今聴くととても懐かしくて、思わず聴き入ってしまいました。やたらとテンポが早く、揃っていない。そして、ミスタッチの山、山。。よく人に聴かせてお金まで取ったなと思います。しかしながら、若々しくて活きだけは良いんです。一生懸命に張り切っているという感じです。聴いている方がドキドキしてきます。
 
そして気がつきました。聴いている時の感覚は、まるで自分の子供の演奏をドキドキしながら聴いている時の親の気持ちに似てるんですね。確かにその頃の自分の年齢と同年代の子供がいてもおかしくない年齢に今の自分がなっているのです。「あちこち間違ってるけど、全体的にはなかなかいいじゃないか!よくやってる! 」という気持ちになっているんですね。一方、当時の自分にとっては、ミスしたところだけが気になってしまい、とても落ち着いて聴けた気分ではなかったんです。
 
というわけで、今はこの演奏を携帯型デジタル音楽プレイヤーに入れて通勤時などに何回も聴いています。そして毎回ドキドキしています。
 
ああ!捨てないで良かった。。。
 
そして、デジタル化して良かった。。。