実は晩婚だった私の子供はまだ小学生である。 自分が小学生だった時からは、とても長い時間が経過していることもあり、その違いに驚くこと、考えてしまうことも多い。
 
特に学習塾については、「これでいいのかな?」と思ってしまう。私の子供の小学校は公立だが、とても教育熱心なところのようで、例年半数以上の生徒が中学受験をするという。このため、4年生以上になると大半の生徒が塾に通い始める。
 
志望校のランクによって通う塾が違うらしく、難関校を受ける子供が行く塾では、週の半分の日で一日4、5時間授業を受ける。家に帰るのが夜9時過ぎになることも珍しくない。ところが、これで終わりではなく、たくさんの宿題を抱えてその日のうちに終わらせなければならない。床に就くのが12時過ぎになるのが日常化している家もたくさんあるという。
 
なぜ内容が膨大かと言うと、受験に有利なため、5年生までに一通り受験に必要な知識を教え込み、残りの1年は、志望校に合わせた受験勉強をするためのようだ。いわば、昔大学浪人が通った予備校みたいなものだ。 
この受験に必要な知識は、小学校のカリキュラムなどは関係なく、昔でいえば中学で習うこと以上の内容かもしれない。小学校で教えている内容は、基礎中の基礎なので難しい塾に行っている生徒にとってはすでに聞いたことばかりだろう。もちろん、学校ではじめて習う生徒もいるので、子供間の大きいギャップが発生してしまっている。
 
6年生ともなると塾にいる時間は倍増し、夏休み、冬休みもなく特別講習などを受ける。もちろん無料ではないので、とてもお金がかかる。当然親も子供に勉強を教えたり、いろいろなサポートをする。そして、それをやらないで塾まかせにする親は、「受験生の親の自覚なし」などと言われてしまう。
 
「まだ幼い部分が多く、人格形成にも大事な時期である小学生にこんな詰め込みをしてもいいのかな?」と思ってしまうが、一度受験コースを選んでしまうと、そんな事を言うほうがおかしいという雰囲気に包まれてしまう。
何十年も前に田舎でのんびりと育った私が、現代の都会の真っただ中でこの現実に直面し正直当惑している。
 
(この項続く)