遅まきながら
田口雅之「BLACK JACK NEO」(1)(秋田書店)
道家大輔「どろろ梵」(1)(秋田書店)
を読んだ。
いずれも手塚先生の原作からインスピレーションを得て新たに描かれたもの。私の定義では「手塚系」作品ということになる。だいぶ前に出版されたものだが、読んでいなかった。購入して読むところまでの意欲がわかなかったのだ。先日、たまたま大手古本店の105円コーナーで見つけ「100円なら読んでみようかな?」と思い買ってみた。いずれも第一巻というところがミソで、第二巻以降は、別の棚で350円で売っている。第一巻で読者の興味に勢いをつけ高めの本を買ってもらおうという店側の戦略のようだ。この本を買ってまで読もうとしなかった私に第一巻だけとはいえ買わせたのだから、確かにこの作戦は部分的に成功していると言えよう。
さて内容であるが、ブラックジャックは原作のストーリーに作者のオリジナルがミックスされ、お茶の水博士、ヒゲ親父などおなじみの手塚キャラも多く登場するコラボ的作品なのに対して、どろろは原作の世界の五百年後に百鬼丸が転生したという想定で、どろろが登場したり妖怪と戦うなど同じような世界観は感じられるが、ほとんど新しい作品のように思えた。(もっとも、読んだのは第一巻だけだが。。)
いずれも、とても読み応えがある作品に仕上がっている。手塚作品を読んだ人には懐かしく、知らない人には新鮮に感じられたのではないだろうか?
申し訳ないが、どちらの作者もそれまで知らなかった。しかし、とても実力がある方々のように思えた。手塚先生の存在が巨大なので作者には結構プレッシャーではないかと思う。作品が成功するかどうかは、リメイクする作者の技量に依存するであろう。まあ、気にせずに好きなようにやったらいいのではないだろうか。手塚先生の作品は他にもたくさんあるので、ぜひこのような企画が増えることを希望する。
ただし、私が読むのはだいぶ遅くなると思うが。。