生来へそ曲がりで、当世に流行しているものに媚びたくない性格が災いして、私は常に時代遅れの変わり者と見られているふしがあります。まあ、しょうがないですね。
昨年大ヒッした「ゲゲゲの女房」もテレビは熱心に観ましたが、肝心の原作は読んでいませんでした。このほど、ようやく単行本「ゲゲゲの女房」(実業之日本社)を某古書店にて購入しました。あっというまに読みました。
 
確かに、この本が朝ドラのストーリーの骨格になっている事はわかりましたが、実際の番組では、水木先生に関する色々な資料を参考に話を膨らましている事が再認識できました。毎日分の脚本を書くのは本当に大変でしょうね。
 
水木先生の半生記はすでに色々な形で紹介されており、もちろん私も諳んじるほど何回も読みましたので、朝ドラでもさほど新鮮味はなかったのですが、本の方では、水木家の雰囲気をさらりと書いている部分がむしろとても興味深かったです。子育て、親戚づきあい、嫁姑そして晩年など、どこの家にもあるテーマについて、布枝婦人の思いが正直に書かれており、水木家も普通の家庭なんだなと思いました。
 
水木先生は、仕事のためなかなか家庭をかまう時間がなかったり、また、なかなかの亭主関白ぎみだったみたいですね。私の親もそうでしたが、戦後復興、高度経済成長、と一生懸命仕事をした世代で、若い頃は子供の相手をできなかった人も大勢いたと思います。そして、父親の存在は、今より特別だったと思います。水木先生もその典型だったのでしょう。いまでは、とても懐かしいタイプの親父さんかもしれません。ご夫婦ともに、いつまでもお元気でいられるることを願っています。
 
この本を読んで境港の水木ロードに行きたくなりました。