ドラマは青林堂から講談社へ展開していき、いよいよ水木先生大活躍のシーンへ移っていくようです。
 
このドラマで「おやっ?」と思うのが、白土三平先生が登場しないことです。
 
長井さんの三洋社、青林堂は、実は白土先生なしでは語れないというより、白土先生は長井さんの有力な後援者だったのです。当時の若者に大きな影響を及ぼした「忍者武芸帳」の大ヒットは、三洋社の経営にとても助けとなったでしょう。そして当初のガロは白土先生がカムイ伝を発表するための雑誌だったといってもいいくらいで、表紙はもちろん、カムイ伝は、毎回100頁規模の掲載で雑誌の顔でした。ガロでたくさんの個性的な作家たちの作品を掲載できたのも、カムイ伝が大黒柱として存在していたからだと思います。カムイ伝第一部の連載が終了した後、水木先生、永島慎二先生、林静一先生がガロを支えていきますが、しだいに部数が減少していきます。
水木先生も白土先生と会われたことを何回か発表されています。
 
ドラマの主人公が水木先生の奥様であることもあるのかもしれませんが、結構事実にそってストーリーが展開しているのに、まったく白土先生が出てこないのもちょっと変な感じです。遠慮されたのかな?(続く)