今朝の朝ドラ。いよいよ「こみち書房」の行く末があやしくなってきました。
ある産業が傾き無くなっていく。。関係者にはとても厳しいことです。紙芝居もそうでした。最近では、ビデオレンタル屋さんが大手を除きなくなりましたね。気になるのは、一般の古本屋さんがなくなってきたこと。
私の町でも、ビルが建て替えられるごとにそこに入っていた店がなくなっています。おもちゃ屋、プラモ屋、文房具屋、駄菓子屋、そして小さな公園のブランコ。さらには、とうふ屋、八百屋、さかな屋といった町の必須要素がなくなり、高層マンションが立ち並ぶスカスカの町になっています。地面はコンクリートやアスファルトで覆われ息苦しそうです。それでも、時々熱いアスファルトの道路の上を、どこから来たのかカマキリがふらふらしながら横切ったりしています。子供が群れて遊ぶ光景が珍しくなりましたが、たまにビル群の間にたむろしている子供の姿がカマキリの姿と重なってしまいます。
貸本屋さんの話からだいぶ脱線しましたが、ドラマに登場するPTAからのクレームのような事は実際あったんです。マンガ家がつるしあげられたり、不買運動がおこったり。時代の雰囲気もあったと思いますがややヒステリー気味に感じられますよね。こみち書房が気の毒になりますが、今でも似たような事があるのではと思うのが公園の遊具がなくなっていくみたいなことです。。
当時貸本屋で扱っていた劇画は、どちらかというと青年それもドラマに出てくる小林さんみたいな働く青年向けのものが多く、ギャング、ピストル、ナイフなど結構殺伐としたテーマの作品が人気でした。これらは確かに子供向けではなかったかもしれません。水木先生はじめ描き手側は、本当に一生懸命描いていたと思いますが 難しいところです。ただ、昭和30年代で10円というのは子供にとって結構大金なので、本当に小さな子供は、お兄さんやお父さんが借りた本を読ませてもらったというパターンが多かった気がします。貸本屋がなくなっていった大きな原因は、やはり週刊誌、テレビの台頭だったのでしょう。メディアの変遷は今でも起こっていることです。
長井さんがガロを創刊したのは時代のトレンドを読んだ適切な判断だったと思います。その長井さんが晩年は、青林堂の経営を別な人に譲り、ご隠居さんになっていきましたが、次の時代を何か読まれた上の行動だったかもしれませんね。もしかしたら「マンガ」ではなかったのかもしれません。