今年は少年マガジンと少年サンデーが創刊されてから50周年になるそうで、昔の復刻版が出たり、いろいろな商品でのコラポ企画などがたくさん行われています。これもその一環だと思いますが、一二の三四郎、柔道部物語、ホワッツ マイケル?などで今や大家となった小林まこと氏が、デビュー当時から一二の三四郎を描いていたころの話をまとめた「青春少年マガジン」を読みました。

すでにマンガはゆるぎない文化を築いています。終戦直後あたりにデビューした、マンガ文化初期を支えた大家(すでに故人も多い)が書いた回顧録風の本はたくさんありますが、小林先生の世代もこのような昔を回想する話の本を出す時代になったのでしょうか?ちょっと早い気もしましたが、よく考えてみるとすでに30年経ってるんですね。

お話の内容は、ちょうど同じ頃にデビューした小林まこと、小野新二、大和田夏希の新人3バカトリオのエピソードを中心に当時のマンガ界、編集者などが繰りひろげるいろいろな出来事がとてもおもしろくまとめられてています。

当時のマンガ家が身を削るように作品を制作している様子がさりげなく描がかれています。そして、とうとう小野新二、大和田夏希は命までマンガに捧げてしまうのです。この作品は、一人だけ残った小林先生が、仲間に贈った追悼の言葉、最後の(涙の)ジョークのように感じます。

これまで、マンガ界は幾多の才能を飲み込んできたのでしょうか?マンガ家をめざし挫折した名も知れぬ人たちも含め、多くの人たちの汗と涙を吸い込んで今のマンガ界がここまでくることができたのだと思わざるをえません。