お水取り六日目は、お松明から手水までひととおり参観した。内容は実忠忌と過去帳がないだけで五日目とほぼ同じである。法螺貝の音色も心なしか五日目より上手になったように思う。
奈良に残り七日目も観た友人の話では、七日目はさらに上手であったとのことである。要するに事前の練習が足りないのか?

今回は友人たちにできるだけいろいろなシーンを見聞きしてもらうため。結構忙しく二月堂を出入りした。また、ふだんなかなか聞けない午前1時の東大寺の梵鐘の音色を鐘楼のすぐ横で聴いた。日吉館に泊まっていた頃、夕食後に午後7時の梵鐘をよくみなで聴きに行ったものだ。午前1時の梵鐘はお水取りの時くらいしか近くで聴けない。

暗い鐘楼に突然寺の人が現れ、しばらくすると「ゴ~ン。。。」となんともいえない渋い音色で梵鐘が鳴る。深々とした雰囲気の中で梵鐘の音色を聴いていると、時間を超越した不思議な感覚を感じる。
華厳経に書かれているという宇宙の真理の一端を覗いているような感じだ。
これが聴けただけでもとても得した気分だ。

後はちょっと二月堂に戻って久しぶりに人気が少ない局でじっとしていた。
そして午前2時すぎに下堂。
今年は暖かい。地球温暖化と関係あるのだろうか?

(続く)