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今年はお松明の火の粉が少なかった。後半は上手になったかな?


お松明を拾った後ひと休みしているうちに、先ほどまでたくさんいた群集がぱっと消え二月堂の舞台にいるかたまりを除くとほとんどいなくなっている。みなさんこれから夕食でしょうか?私たちはこれからが本番。二月堂の堂内では、初夜の読経が始まっている。

いつも私はこの時間に、お守り、牛玉札なんかを買っている。昔は杉本健吉画伯の干支の絵馬が残っていて必ず買っていたが今はもちろんないので、人へのプレゼント用に須田刻太の椿の絵馬をよく買っている。 それとよくおみやげに買うのが、二月堂の常夜灯を模擬した小さな鈴のストラップ。そうそう!2年前には売っていなかったが今年は椿のストラップを売っていた。これは二月堂内陣に飾られている椿の造花を模したもので、なかなか色鮮やか。思わず3個買ってしまった。
ということをやっているうちに、もう時間が20:30頃になっている。

今年ははじめての友人と一緒なので、そろそろお堂の中に入ることにした。事前に東大寺に申し込んでもらっていた堂内への参篭許可証を警備のおじさんに見せて中に入れてもらう。ギギギと音を立てて扉を開け堂内に入るとすぐ左の方に童子さんが座っている。中は練行僧たちの声明。最初にお水取りに来た時は、なんとも緊張したものだ。どうしていいかわからない。さすがに年季が入ってきた私は堂々と中に入り、左の方の内陣の入り口でスリッパを出して靴を袋に入れ一息。今回はじめての友人は、おそるおそる中に入り緊張している。申し訳ない事に女性は内陣に入いれないが、申し込んだ男性は中に入れる。基本的に通っていけない正面以外は自由に移動できる。このときいつも感じるのは東大寺の懐の広さだ。
参拝者にとてもやさしい。奈良の大仏の東大寺をみんな好きになるわけだ。

外の喧騒と隔絶され、薄暗い堂内でおごそかに初夜の行事が進行している。1250年前にもどった気がしてくる。堂内は本当に清らかな雰囲気に満ちている。

(続く)