
私が読んだ本:楳図かずお「笑い仮面」(キングコミックス、少年画報社)
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戦前の日本。太陽黒点の異常発達とアリ人間の発生の因果関係を指摘し逮捕された式島博士は、高温に熱せられた仮面を永久にかぶせられる「笑い仮面の刑」に処され投獄されるが脱獄しいずこかに消える。戦後は、地球が灼熱地獄と化しても人類が生存できる方法を探るためアリ人間の研究を始めるが、外に逃げたアリ人間が村人を次々にアリ人間に変身していく。式島博士は、自ら自爆してアリ人間化した村人を葬り去る。その後太陽の黒点はますます増加していくが。。。
月刊少年画報に連載された時から気味悪い作品と思っていた。そのころ楳図かずおは、すでにホラー物、怪奇物で有名だった。(少年マガジンのひびわれ人間は、今でも怖い!)来るべき地球の環境変動に対応して人間が怪物に変身するというモチーフは半魚人などでも取り上げられているが、アリ人間が追いかけてくるシーンはなんとも恐怖だった。
その後、まことちゃんなどで、ギャグ的要素も多くなるが、今でも絵は何となくこわい。(小生のトラウマになっているかもしれませんね。)笑い仮面は、顔は笑っているが、やってることは怖い。まさに楳図作品の特徴である、「面白怖(おもこわ)」の典型だったようである。
ちなみに、作家紹介コーナーなどで、楳図先生は明るい青年として紹介されている。少年マガジンの表紙に当時の第一線の作家の集合写真が掲載されているが、確かにハンサムな青年だった。今では、すこしぶっとんでいる感じだが。。
怖いけど、何故か手放せない本です。
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今でも読める本:絶版?
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