このところアンティークトイの店は不景気だという話を聞くことがあります。実際、店を閉じたところも何軒かはあるようです。

原因はいろいろ考えられます。思い浮かぶままに下記に列挙してみます。

(1)昭和レトロブームが落ち着き消費者が古い物に飽きてきたこと。
(2)コレクターがネットオークションに移っていき店頭で品物を買わなくなってきた。
(3)昭和30年代、40年代のアイテムを集めている世代の高年齢化が進み、経済的余裕  がなくなった。この時代のものは流通した絶対数が少なく高価になっていますからね。
(4)現在最もリッチな世代が欲しがるアイテムは昭和50年代のものになってきている。
  この時代くらいから、日本も豊かになり販売されたおもちゃの数も多く、種類も多様化
  してきてプレミア度が低下し、高額なものが少なくなり、売り上げが減った。」

これ以外にも原因はたくさんあり、複合されて業界不況となったのかもしれません。
とくに世代の変化の影響は大きく、ガレージキットなどが出現した後には、古い物に興味ある人の割合はますます低下していき、アンティークトイの専門店に来る人が減ることでしょう。

なんかお先真っ暗な感じですが、小生は業界がぶっつぶれるというわけでも無いと思っております。少し厳しい見方をしてしまいますが、アンティークトイというとかっこいいですが古いおもちゃの売買が始まったのは、たかだか25年位です。ブームになって雨後の竹の子のように無数のショップができましたが、全部がちゃんと経営している感じの店ではなかったと思います。

例えば、マニア上がりの人がご自分の趣味で生計を立てたいという夢をかなえようとしたお店です。なんとなくフリーマーケット感覚のお店で素人商売のようになって結局消滅、というパターンです。

逆に古物関係にいた人が、おもちゃが商売になりそうだというトレンドをするどく嗅ぎつけて、おもちゃ屋さんの倉庫などを発掘して一山当てようとお店を作った例も結構あります。こういう店は、逆に商売がだめになりそうな気配を感じて閉店したり、扱う商品を変えてしまい結果的に古いおもちゃの店では無くなっています。以前は、古時計、古着などを扱う店におもちゃを置いている店が結構ありましたが多くはこのパターンです。

あるていど専門店の淘汰がされた後は、しっかりとしたお店が残り、継続的な店舗経営をされると思います。

ウルトラマン、仮面ライダーなどは今でも放映されており、親子でファンという人もたくさんいます。若い世代の手塚作品のファンも多く手塚治虫公式HPの掲示板はなかなか盛況です。ファンの層が分厚くなると、継続して一定のアンティークトイのマニア層が形成され商売もまわると思います。もっとも、ますます骨董業界に近くなるかもしれませんが。。。