手塚先生が天に召されてからはや18年ですが、いまだにたくさんの手塚作品が書店に並んでいます。アトムのテレビ放映が終了してから、一般のおもちゃはあまりおもちゃ屋さんにありませんが、景品やマニア向けグッズは次々と発売されています。こうなると、手塚グッズを集めている人にとってはきりがありません。その都度出されるアイテムをコンプリートしていくのは、経済的、体力的になかなか大変です。

私は、自分が集めるグッズの範囲として「手塚先生ご健在時」ということで一線を引いており、その線より前に世に出たり、企画されていた物を主として集める事にしています。すなわち、手塚先生の作品発表当時の物で直接的間接的に手塚先生のフィルターを通過した物を「手塚物」、その後のマニア向けグッズや、PLUTOやBJなどのリメイク作品を「手塚系」と定義し、前者だけを趣味の対象としています。

この定義は、私の勝手な決め事で、もちろん手塚系アイテムを否定する物ではありません。要するに、私が集めたいと思うものが、ここでいうところの手塚物であるというだけです。

PLUTOは大好きな作品で、毎号ビッグオリジナルに掲載されるのを楽しみにしています。でもあれは、一応コラボということになっていますが、手塚先生の作品というより、浦沢直樹先生の作品ですよね。話題になった映画「どろろ」もまったく違った作品でしょう。手塚先生を起源とした世界がこれからさらに拡がっていくためには、このような手塚系作品がたくさん発表されることが不可欠だと思います。かつて、ストーリーマンガを創出したと言われる手塚先生のDNAが広がり文明における一つの種(?)のようなものを形成することは、私も熱望するところです。

ただ、私の趣味の範囲は手塚物であり、今現在も手塚物をしこしこと集めることに努力しています。このあたりを、他の人に説明するのはなかなか難しい事です。実際、手塚先生は、ご自分の作品関連のグッズ、例えばおもちゃやメンコ、シールのようなものは、他の人が作った物で自分とは関係無いと切り捨てられていたという事です。そうなると、私の趣味も手塚オリジナルとは言い難いですよね。趣味なんて、やっている人の独りよがりの産物であり、また、それでいいと思っています。