下にマンガ本の災難について書きましたが、私も最近とんでもないことやってしまいました。今回は、私に、このことを告白をさせてください。

私は、小学二年生の時から手にしたマンガ本をすべて捨てないで置いていました。単行本はもちろんのこと、雑誌、少しでもマンガの事を書いた文書が載っている印刷物はもれなく保存していたんです。以前書きましたが、特に社会人になってからは指数関数的に数が増え、実家の建物が重さで傾いたくらいの量になってしまいました。いちいち数えたことがないのですが、たぶん3万冊くらいはあったでしょう。大げさですが、私の人生そのものと言ってもよいかもしれません。

ところが。ところがですよ。。。

いろいろ事情がありまして、このマンガ本達を大量に処分してしまったのです。。現在どうなっているかといえば、手塚関係はできるだけ残していますが、本当に手元に置きたいものだけさびしく本だなに並べられている状態です。せいぜい、3000冊程度でしょう。まあ、それでも普通の人より持っている方かもしれませんが。。

まず、雑誌ですが。結局、昭和40年代以前の状態が良いものだけ残してあと全部、捨ててることになりました。捨ててしまうのは惜しく思ったので、いろんなとこに引き取りを打診したり、マンガ専門店に問い合わせしたりしたのですが、いずれも、勘弁して欲しいという回答でした。昭和50年代の物は、よく考えてみれば30年も経過したもので、十分古いのですが、古物的には価値がないとのことでした。下に書いたように、雑誌は作品の情報をストアするだけのメディアになったからなんでしょうか?
マンガ雑誌は、何回も再生されているため質がイマイチのようで、紙の回収業者も持っていきません。何日もかけてゴミ捨て場に運ぶこととなりました。実家の方のゴミ捨て場が、マンガだけで一杯になっている図は、壮観でしたが、次の日に全部なくなっていた時は、本当に悲しくなりました。

単行本くらいは、なんとかなるかなと思いましたが、古本屋に連絡しても、マンガと聞くと、「専門店がたくさんあるからそちらに持っていけ。」といわれるばかり。ドタバタやっているうちに、処分しなければならない期限がせまってしまい、困って大手の中古マンガ専門店にきてもらうことになりました。ここが、一番フッワーク早かったです。でも、売れ筋のきれいな本しか持っていかないんですね。古くて痛んだり、人気のないものは持っていってもくれないんです。そもそも、大量の本の物理的存在が処分の主たる理由だったので、これでは、あまり意味がありませんでした。ちなみに引き取りは、一律一冊10円。
それなりに思い入れがあり、一冊一冊集まってきた本が、それぞれ10円で持って行かれた時は、本当に胸が痛みました。こんな位なら、自分でゴミとして捨てた方が良かったと思いましたね。

コレクターは、最初は一冊から始まるのですが、自分でも気づかないうちに巨大なものを背負うことになってしまうんですね。おそらく今回の私のような経験をした人も結構いると思います。ある時、急にどうにかしなければならない状況になり、はたと事の大きさに気づくんです。まず、運ぶのも大変で周りの人に手伝ったもらわなければなんともならないし、処分の方法によってはお金もかかります。予想以上に大変で、自分が入れこんでいたものだけに、処分してもあまり気が晴れません。

広い家があったらな。なんて、無理なことを考えたりしてましたが、もう、処分してしまったものは戻ってきません。「時すでに遅し」です。とりあえず今後は、人生設計に自分の趣味の計画も含めることにしました。

今回は、愚痴っぽかったですね。でも、昔、マンガ一筋だった、あの頃の自分をまったく後悔はしていません。かえって、今の自分の気持ちが枯れないようにしなくちゃ、と思います。

(2003.3.9)