一番好きな作品は、「0マン」。はじめて読んだのは、1959年に少年サンデーで連載された時ではなく、別冊少年ブックの上下巻でした。小学生でした。物語も大好きなんですが、この作品には個人的に思い出があるんです。実は、小生、小学生の頃家を飛び出た事がありました。気持ちは家出でした。その時、本屋で買った別冊少年ブックの下巻を一緒に持っていったんです。隣町をてくてく、あてもなく歩いてゆくうちに、雨が降りはじめました。それでも、持ってた本を頭にかざしながら、歩き続けました。雨は、さらに激しくなり、たまらず、八百屋の軒先で雨宿り。店に買いに来たおばさんに、「どうしたの?」なんて言われたりしながら。店の軒先を転々としながら、歩いていくうちに、日がくれてきました。結局、本当にしょぼくれて、情けない気持ちで一杯になりながら、家に帰りました。子供なりに、本当に情けない気持ちになりながらね。
その時手に持ってたのが、ぬれてぼろぼろになった0マンでした。
(2001.1.13作成)
その時手に持ってたのが、ぬれてぼろぼろになった0マンでした。
(2001.1.13作成)