みなさんこんにちは。今回ご紹介する本は、橋本紡著『流れ星が消えないうちに』です。
本作の主人公は、恋人を突然の事故で亡くし、それ以来、なぜか自宅の玄関でしか眠れなくなってしまいます。亡くなった恋人のことを想いながらも、少しずつ前に進もうとする自分に罪悪感を抱き、葛藤する日々を送っています。
そんな主人公の前に、新たな恋人が登場します。実はその相手は、亡くなった恋人の親友でした。彼もまた、親友の思い出に胸を痛めつつ、主人公を愛することに葛藤し、自分を納得させようとしています。
物語は、主人公や今の恋人の家族、それを取り巻く友人たちの人間模様を織り交ぜながら進みます。さらに、過去の「プラネタリウム」をきっかけに主人公と亡くなった恋人が付き合うまでのエピソードや、亡くなった恋人と今の恋人が友人になった思い出も交錯していきます。
ラストで、二人は「亡くなった人の思い出は決して消えないけれど、少しずつ薄れていく(忘れていく)ことを許容しよう」という境地に達します。「でも何かは残る」と信じて一歩を踏み出そうとする彼らの姿からは、どんなに深い不幸に打ちひしがれても、今を生きようとする人間の強さと前向きさを感じることができました。
恋愛小説でありながら、生きる勇気をもらえる作品です。5時間ほどで一気に読めるボリュームですので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。