日本言霊学(ことたまがく)協会

皇道経済の本質をハツキリ理解する為には、まず富と金に対する確かなる認識を持たねばならぬ

富と金

　　皇道経済の本質をハツキリ理解する為(ため)には、先(ま)づ富と金に対する確かなる認識を持たねばならぬ。故に茲(ここ)に簡単なる一例を挙げる。

　村は十年前借金をして耕地整理及び多収穫法の実施を計画した。その結果村の生産額は著るしく増加したが、農作物の市価暴落と借金利息の重圧の下に立つ能(あた)はずして喘(あえ)ぎ苦しんで居る。村民の生命を継ぐ物資は充分に生産するに到つたが、年々絞り上げられる利払ひの為に村の金は段々と減少し財政は極度に逼迫(ひっぱく)して、学校の先生にも役場の書記にも給料が支払ひ出来なくなつた。為(ため)に不安な空気が全村に撮り、農民は互ひに悪鬼の如く争ひの心に燃え盛つて居る。併(しか)し斯(かか)る村でも、若し左の如き制度が認められたならば、その村は直ちに更生するであらう。即(すなわ)ち学校の先生や役場の書記に日本の貨幣を以(もっ)て支払することが出来なくなつた場合に、役場は先生や書記に役場の手形即(すなわ)ち村札を以て支払ひをするのである。此(こ)れを受取つた人は、その村の中であつたなれば、米でも炭でも好きなものが買へ、又、村税にでも納めることが出来るとする。唯(ただ)、村より外と売買をする場合には日本の貨幣を以(もっ)てするのである。若(も)し此(こ)の制度が許され、適当なる村札が発行されたならば、昨日迄夜叉(やしゃ)の如く争ひ狂つて居た村民は、心を一つにして統制ある生産に従事し、働けば働くだけ物を作れば作るだけ村は富み人は喜ぶのである。

　此(こ)れは即ち徳川時代の藩札(はんさつ)制度である。経済的手腕ある藩主が此(こ)の藩札を適当に発行することに依(よ)つてその藩は栄え其(そ)の民は豊になつた。而(しか)も此の制度は出来るだけ広範に亘(わた)れば亘る程(ほど)効果があるのであつて、我々の理想とする所は天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)天皇の大御稜(おおみい)威(づ)の下(もと)に天札(てんさつ)即(すなわ)ち皇道(こうどう)貨幣の御発行を願ひ、万邦(ばんぽう)(すべての国。河野書き込み)の民が斉(ひと)しく喜悦(きえつ)してその恩沢(おんたく)に浴し得る光明世界の実現にあるのである。

　而(しか)も此の藩札制度に似た方法に依(よ)つて更生した国は今日の独逸(どいつ)である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「万人の喜ぶ『皇道経済』とは何か」より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

※「今日の独逸(どいつ)とは、1930年前後、世界大恐慌をくぐり抜いた時代の独逸です。(河野書き込み)

大本教は、古事記の別称

　王仁三郎は、「大本教は、皇典古事記の別称」と述べています。そして、「古事記は予言書であるから、言霊学の鍵(かぎ)をもってこれを読まなければ、その神意を覚ることは出来ぬ」とも述べています。

　■大本教とは皇祖の御遺訓・皇典「古事記」の別称であって、言わ

　　ば皇典「古事記」真解とも称すべきものであって、決して現今の

　　如き宗教ではない。(「神霊界」より)

　■神の御力を書き記した日の本の古事記を皇典又は神典とい

　　ふ。(「神の国」より)　

大国主神様は、金銀為本の国々

　大国主神様(おほくにぬしのかみさま)を言霊から申しますと、金銀為本(きんぎんいほん)の政策を採つて居る所の、世界各国の名称と云ふ事になつて居ります。

　此(この)神様が【大義名分】と云ふ事を明かに御悟りになつて、此(こ)の国土をば天孫瓊々杵尊(てんそんににぎのみこと)、即ち天津神にお還しになつたのであります。

　天孫が御降臨なさらないでも、この国は伊冊那岐、伊冊那美の神様の御神勅(ごしんちょく)が行はれて居つたならば、天孫降臨の必要はないのである。大本の所謂(いわゆる)日の大神、是(これ)が伊冊那岐の神様であります。　「神霊界」より。(王仁三郎の言葉です)　

あまりに似ています　!　王仁三郎は水穂伝を盗用したのですか　?

手にとられた方は、同じ文章があまりにたくさん両者にあることに驚かれると思います。王仁三郎は『神霊界』で、次のように述べています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　杉庵思軒(すぎいおしけん)『水穂伝(みずほのつたえ)』に現れた言霊学は、火水の体(たい)を説き、中村孝道の真寸美鏡は、火水の用(よう)を説いたもので在りますから、『水穂伝』の所説を大本言霊学と称し、真寸美鏡(ますみのかがみ)の所説を日本言霊学と称して、私は体用両面に区別しました。

併(ただ)し私が永年研究の結果、双方共実地に就て、応用するに当り、余程不備の点を感じましたから、二十余年間、学理の如何に関せず、実用に適する説を採って来たのであります。

大本の言霊閣に安置する天津金木(あまつかなぎ)は大石凝(おおいしごり)翁一派の運用法とは、余程変わった点があります。如何となれば、人間の説を根拠として立てた教理と、神界直授の真理とは、凡ての点に於て、深遠浅近の区別があるからであります。　『神霊界』(大正八年九月十五日号)より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「水穂伝」は王仁三郎にとり、まぎれもなく重要な書でありました。しかし「真寸美鏡」と合わせたとしても不備を感じました。

「水穂伝」に目を凝らすと、王仁三郎が書き加えた文や言葉がそこここにあり、図も手が加えられています。けれどそこからだけでは王仁三郎の言霊学を知るのは不充分であり、「大本言霊学梅花篇」や言霊の書と呼ばれる「霊界物語」があります。

とにもかくにも、FB「出口王仁三郎大学院　言霊音楽学部」の「ファイル」から、「大本言霊学」の69ページまでを活字体で読むことができます。ぜひご覧になってください。

https://www.facebook.com/groups/459222154202447/?notif_t=group_added_to_group

※　(文中、「杉庵思軒」は山口志道のことです)

霊界は、宇宙の実体界

　霊界は宇宙の実体界で、現界は霊界の移写(いしゃ)、つまり映像の世界である。

～略～王仁三郎によれば幽界と顕界(けんかい)との間は、相応(そうおう)の理(り)によってつながる。つまり現界にあったことは霊界にあり、霊界にあったことは、現界にそれに相似のものがある。

出口和明「神の活哲学」より

あらゆる心を配りてこの橋を東方に向つて渡れ

(出口王仁三郎著「霊界物語5巻24章」の中、王仁三郎に見せられた天の浮橋の光景です)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『眼を開けよ』

と叫びたまふ神の声が聞えた。眼を開けば今度は最高点の黄金橋の上に引き揚げられてゐたのである。まづ安心とあたりを見れば、国姫神は莞爾(につこ)として四五の従神とともに吾前(わがまえ)に現れ、

『この橋は黄金の大橋といひ、また天の浮橋ともいひ、地球の中心火球より金気昇騰して顕国(うつしくに)の玉となり、この玉の威徳によりて国の御柱(みはしら)は中空に高く延長し、その頂上は左右に分れ、左は男神の渡るべき橋にして、右は女神の渡る橋なり、この黄金橋は滑にして、少しの油断あらば滑りて再び地に顛落(てんらく)し、滅亡を招くの危険あり。

汝(なんじ)は抜身(ぬきみ)の中に立つごとく心を戒め、一足たりとも油断なく、眼を配り、耳を澄ませ、息を詰め、あらゆる心を配りてこの橋を東方に向つて渡れ。

またこの橋は東南西北に空中を旋回す、その旋回の度ごとに橋体震動し、橋上の神人は動もすれば跳飛(はねと)ばさるる恐れあり、また時には暴風吹ききたつて橋上の神人を吹き落すことあり。

欄干(らんかん)もなく、足溜(あしだま)りもなく、橋とはいへど黄金の丸木橋、渡るに難し、渡らねば神の柱となることを得ず、実に難きは神柱(かむばしら)たるものの勤めなり』

と言葉嚴かに云ひ渡された。

　王仁は唯々諾々(いいだくだく)としてその教訓を拝し、東方に向つて覚束(おぼつか)なき足下(あしもと)にて、一歩々々跣足(はだし)のまま歩を進めた。