悲しくてあたたかい。
思い出したことがある。
転校ばかりだった小学校時代、卒業した最後の小学校の頃。
だから あれは 小学校4年の3学期以降であることには 間違いないの。
私は木琴を持っていた。朱色のビニールカバーのついた木琴。うちにあったような気がする。
友達は たぶん 縦笛だったかな? その子が誰だったかは・・・定かじゃない。 あの子かあの子。
その身支度をした小学生2人で 何を思ったか 老人ホームを訪問した。
そして ベットの並ぶ部屋で 演奏をして回った。
曲は? なんだろう? たぶん「エーデルワイス」かな?
よく覚えてないけれど、その曲を 学校でやった覚えがあるから、きっとそうに違いない。
かすかに記憶に残っているのは、上層と結ばれた通路が階段ではなくって ゆるやかなスロープだったこと。
それから お天気のいい日だった ということ。
壁が 白かったこと。
案内してくださったのは シスターだったかもしれない・・・こと。
おばあさんに 何か ベッドの脇で 頂いたような気がすること。
なぜ そこを尋ねたのか、そのあとどうしたのか。 何も覚えてはいない。
ただ、一緒に行ったのが 今でもアルバムに残っている仲良しの記憶の子たちではなく
数えるほどしか遊んでいない、どちらかというと口数の少ない真面目な大人しい印象の子が一緒だった。
きっと 学校では見せない顔の私が行ったのかもしれないな、誰にも言わないで。
『おじいちゃんの口笛』
ウルフ・スタルク/作 菱木晃子/翻訳
おじいちゃんのいる子が羨ましいベッラと 身寄りがなく老人ホームで生活するおじいちゃんの お話。
決して優等生じゃないけれど、何事にも真面目で正面からぶつかっていく子どもたちに 私は完敗。
自分に出来ることを精一杯、知恵も体も使うことを惜しまない。
しかも 優しい。 最初は自分の欲求を満たす為だったかもしれないけれど
好きな人・大切な人を喜ばせたい気持ちは 自分のことも幸せにしてくれる。
こんな満ち足りた時間を過ごすと、きっと悲しいことも受け入れる弾力のある心をもてるのかもしれない。
スタルクの本を読みたくなって 図書館で数冊借りてきた。
声に出して読んでいると 子どもがそばに寄ってくる。
絵本じゃないから 挿絵程度にしか絵がないのに・・・覗き込んでも文字ばかりなのにね。
笛を吹いて子どもを集めた人は こんな気分だったかしら?と うちの子たちは 面白いくらい寄ってくる。
(困ることは、黙読ならそうはならないのに、音読するとすぐに泣きそうになること。
「おじいちゃんの口笛」は 声の震えを隠しつつ読んだのでした。)
昨夜読んだ本。
どの本も 端々まで子どものユニークな言動を捉えながら 心に沁みてくるお話。
悲しいお話も じんわりと温かさが残る。

『おねえちゃんは天使』