貝の火 | ジャスミン茶タイム

貝の火

「戒め」 読後、その意味をもう一度覚えておこうと思った。


                     戒め = 過ちを犯さないように こらしめること

                     戒め = まちがいをしないように 前もって注意すること

 

この二つは 似ているようで 結果に大きな違いをもたらす。

 

身をもって痛い思いを体験しなければ、わからないことって きっと誰しもあるんだね。

望んだわけではなくても 自分に降りかかってくること全てに きっと意味があって、

それは 自分を「善く」するためのすべてのことで。

 

 

善良なウサギのホモイは 川でおぼれているひばりの子を助けます。

そのお礼にと ひばりの親子がムリヤリ置いていった美しい玉は、動物の王様を意味する宝珠。

後になって思えば、確かにホモイは断ったのに。。。

「いりませんよ。たいへんきれいなもんですから、見るだけでたくさんです」

いったん手に入れた権力により驕り高ぶった心は、強そうに見えて それが最大の弱さとなる。


200612190852.jpg この玉を持つ者の心が汚れてくると、その輝きを失い壊れてしまう。

これをこのまま一生満足にもっていることのできた者は、鳥にふたり魚にひとりあっただけというはなしだ。

本当は、最初は欲しくなんてなかったのに、手に入れると失うのが惜しくなる、怖くなる。

こももさんが息子さんと読んだ本としてご紹介 されていて、どうしても読みたくなりました。

宮沢賢治はいくらか読んだつもりでしたが、まだまだ知らないお話がたくさんです。

宮沢賢治の美しい言葉には、どこか冴え冴えとした悲しみを感じることがあります。

驕り高ぶる人間たちを 風刺したともとれるこの物語には、

きっと私たちが失くしかけているものが詰まっているのかもしれません。

 

泣くな。こんなことはどこにもあるのだ。それをよくわかったお前は、一番幸いなのだ。

 

父親の言葉に支えられ、自分の行なった悪を自覚し一段上の「善への道」へ進む元を得たホモイ。

行く道は明るく照らされていても、ホモイが立ち直り爽やかな風景の中に居ても

なんだか「解説」のようには爽やかになりきれない私。

でも、きっと。 「全てが自分にとって良いこと」となす強さを 人はかならず持っている。持っていたい。

それにしても、文章がきれいなお話って、それだけで素晴らしい。

 


200612190851.jpg  「貝の火」  宮沢賢治・作  /  ユノセイイチ・絵