せっかくだから。
20日の母の誕生日に 実家に電話をしたら 父はとっても上機嫌だった。
いつものように 子供たちに「何年生になったか?」と尋ねる。
毎年母の誕生日に来訪してくれる友人がいるので 母の誕生日を思い出したという父。
上機嫌だった理由のひとつ。
姉の子供たちが 「敬老の日」に電話をかけてきたかららしい。 「じーちゃん、敬老の日、おめでとう」
「敬老の日、ありがとう」じゃないの?(笑) ま、いっか。父は喜んでいる。
もうひとつの理由。
いつものように美味しいお酒を呑んでいた(笑)
そしてもうひとつの理由。
どうやら来春、上京するらしい。 皇居で表彰される「あれ」に出席するというのだ。
詳しくはわからないけれど、「紫」がつく表彰。
私たちの世代にはピンとこないけれど、父の世代にとってみると非常に名誉なことなのだ。
私は 姉たちのように天皇制に対する思想なんてものがないので、喜ぶ父を感じてとても嬉しい。
「お前んとこは ちっと遠いけん、行かんぞ」
「来なくていいけど、じゃぁ、私たちが行くよ」
「せっかくだし、近いから 帝国ホテルに泊まろうと思って」
「え~っ!!! お父さん、私たち絶対行くね。 せっかくだし、部屋はツインにしといてね」
「お~? おーほっほ・・・・。 なに言いよんのか!(笑)知らんぞ・・・。まぁ、それはいいとして。。。」
適当にはぐらかされた・・・・。
父は あの年でエネルギッシュだ。
見た目は普通の?いや、普通よりだらしない感じの頑固そうなじーさんなのに。
身仕舞いなんてしない。
いつでも 先のことを確実に考え、堅実に でもいつも挑戦している。
しかもひとりで、寝たきりの母を抱えているのに。誰のことも当てにしないで。
私はどうなんだ?
今に一生懸命なのは いいとしよう。 そういう時期だし。
でも、頑張らない私が 頑張ってる父を当てにしようとしていた。
正直な話、元夫からのお金が滞ったりすると、子供を高校にすら行かせられないのでは・・・?
と不安に思い、実家に逃げ戻ることも考えていた。
「離婚したんじゃ、帰ってこんとしょーがねーやねーか」 そう言った父に同意せず
頑張って生活していけるいけるつもりだったのに。
3年経とうとする今、母と生活する意義を口実に、父を頼ろうとしていた。
あ~、だめだな私。
せっかくの私の人生だもの。
親のためでもない、子供のためでもない。 自分の為の人生に、もうすこし手をかけてもいいはず。
私のほうが 父より先に 「身仕舞い」を考えていたかもしれない。
そんな私はくすんでいるし、そんな母親はかっこよくもなんともない。
やっと そんなふうに思えた。
せっかくだもの。せっかくだもの。せっかくの私の人生だもの。
ちょっとくらい やってけると思うんだ。
「今、何がしたいのか?」 それをはっきりと考える。
今日は 父の誕生日。
73回目の 父の誕生日。