動物語を理解する医者
保育園の年長さんももうすぐ終わりという頃、いつものように目を輝かせ鼻の穴を広げて興奮ぎみに話す葉っぱ。
「○○に本を読んでもらったよ。お医者さんでね、動物の言葉がわかるの。 猿が橋を作るんだよ。
もうね、聞いてて ドキドキするの。 あ~、おもしれぇ~!!」
ずっと絵本に親しんできた彼らは 年長になると語り聞かせが始まる。 絵のない世界。
保育者も驚くほど 熱心に聴いているらしく、1時間もの間、ちゃんと座って聞き入っているらしい。
動きに動きまわって育った彼らには、そんな集中力が養われている。それが出来るようになってきている。
そして 絵のない世界で想像する力。
読んでもらったあとは それぞれ たくさんの絵を残す。心に残った場面を 今度は色や形に置き換えて。
葉っぱの心を ぎゅっとつかんでくれたのは ドリトル先生。
「あー、それ知ってる!ドリトル先生?」 と訊く母に 「何で知ってるの~?」と不思議がる葉っぱ。
だって これって 昭和16年に日本語訳された本なのですね。 お母さんも子供の頃読んだもの。
保育園で読んでもらったのと同じ本を購入し、もう一度読んだ。
オウムのポリネシアに動物語を習った 心優しいドリトル先生。
猿たちを恐ろしい疫病から救うため アヒルのダブダブ・犬のジップ・ブタのガブガブらを連れてアフリカに向かって航海にでたお話。
あとがきに 石井桃子さんのお話が載っていた。
石井さんがアメリカにすむ友人から送ってもらった「ドリトル先生」。日本の子供たちにもぜひ紹介したいと訳をお願いしたのが 近所に住む 井伏鱒二さんなのだそう。
井伏鱒二さんといえば「黒い雨」のイメージだっただけに、こんな夢のある訳をなさっていたのかと驚いた訳で。
登場してくる 世界に1頭しかいない動物の名前 「オシツオサレツ」
原文ではどんな名前なのだろうかって とても気になる。 「イキツモドリツ」だっけ?「イッタリキタリ」だっけ?
そんなこと言って遊んでいるけど(笑)
訳者の力って ほんとに大きい。 そしてもちろん こんな楽しい話を わが子に聞かせるために作った作者も。
アイルランド軍の将校として戦地に出向いていた作者。人間と同じように戦地で危険を冒して働く馬たちを見て思った。人間なら いかに重い怪我をしても 見捨てられることはないが、馬はその苦しみを減らしてやるためにも 銃殺するしかなかった。 それは どうなのだろう?
もし馬にも人と同じ危険を冒させるならば、怪我をした時も同じように看護してやるべきじゃないのか。
馬の名医になるためには 非常に賢く、馬語を話せ、ずっと思いやりのある人物である必要がある・・・。
そして生まれたのが ドリトル先生なのです。
ドリトル先生は 全13冊。 葉っぱのワクワクドキドキのために 母は毎夜音読し続けるのでした・・・・・(嬉)
