でんでんむしのかなしみ
実際に読んだのは 『あかいろうそく』が表題になっている 『新美南吉童話選集』
そっか、ちっとも気付かずに読んでいましたが、「ごんぎつね」と同じ作者でした。 なるほど。
ある日 でんでんむしは たいへんなことに気がつきました。
「わたしは いままで うっかりしていたけれど、わたしの せなかの からの なかには
かなしみが いっぱい つまっているではないか」
このかなしみは どう したら よいでしょう。
でんでんむしは おともだちの でんでんむしのところにいき 「わたしは もう いきていられません」
そういって 嘆いてまわるのです。
でも どのおともだちに話しても 皆 答えは同じです。
「あなたばかりじゃ ありません。わたしのせなかにも かなしみは いっぱいです。」
何度か くりかえすうち やっと でんでんむしは きがつきました。
「かなしみは だれでも もって いるのだ。 わたしばかりではないのだ。
わたしは わたしの かなしみを こらえて いかなきゃ ならない」
人は ものすごい悲しみに囚われたとき 「この悲しみは 他者には理解できない」 と悲観的に思う。
私だけが 背負っている この世の最大の悲しみ。
私だけが 押しつぶされそうで 私だけが かわいそう。 私だけが 味わう悲しみ、苦しみ。
でもね、そうじゃないんだよって。 みんな それぞれ いろいろな苦しみを背負って生きているのよって。
でんでんむし、背中の殻は 安息の場ではないのですか?
子供に じゃなくて、 わたしにね。(笑)

